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突然の心肺停止 原因は? 【彼が植物さんになった日①】

登場人物
私・・・HSP気質の自由人。
彼・・・名のある企業の経営者。
   突然の心停止が原因で植物状態に。
※一般的にわかりやすい「植物状態」から植物さんと呼んでいますが、彼は低酸素脳症による遷延性意識障害を持った人間であり植物ではないです

https://note.com/mind_glass/

いつもと変わらない日のはずだった

2011年8月の土曜日の朝。
朝と言っても11:00くらいだったけど。
シャワーを浴びようと私は寝ぼけながら起きた。

彼は前日まで海外出張に行っており、空港から送ったスーツケースを早朝に受け取っていた。
その後は一緒に寝ていたベッドには戻らず
リビングのソファーで寝てしまったようだ。

シャワーから出ると彼はベッドに移動していた。
ベッドで一緒に寝ると腰が痛くなる!
と愚痴っていたのを思い出し
(私は寝相がとんでもなく悪い)
申し訳なく思いながら髪を乾かしに戻った。

再びリビングのドアを開けたとき
今までに聞いたことのない轟音が聞こえた。
「何っ?コレ!?」
彼のいびき・・・のようだった。

救急車を呼ぶにもなりふり構う

まさかと思って否定していたけれど
全く想像していなかったことではない。
だから直ぐ「心停止」というワードが浮かんだ。

体をたたいて名前を呼んでみる。
反応はないが、轟音が止んだ。
熟睡してるだけ?
名前を呼びながらまぶたをむりやり開く。
反応がない。
脈を調べようとしたけど
自分の心拍が激しすぎてわからない。

大したことないのに救急車を呼ぶ人が居る。
というニュースを思い出した。
こんな時なのに!!!
HSPの悪いところだ。
私もその迷惑人になっちゃう?と戸惑う。
今思えばとんでもないバカだ。

負の連鎖

彼の心停止の原因は不明と診断された。
だけど、限界を超えたのだと思っている。

彼はとある会社の代表をしていた。
経営に関する情報を漏らすわけにはいかないので
私に仕事の話をすることはなかったが
うまくいっていない様子なのは明らかだった。

彼はそのストレスを
お酒とかわいい女子に褒めてもらうことで
紛らわそうとしていた。

だけどそれは
もともと少なかった睡眠時間を更に削り、
睡眠の質を落とし、
私に噓をつく罪悪感まで抱えることになり、
またそのストレスを・・・。
と完全に負の連鎖に陥っていた。

何とか断ち切らなくては、と思い
例え話をして伝えてみたが
プライドが傷ついたのか拒絶されてしまった。

どう伝えたら受け入れてもらえるのか?
次の案を練っている矢先。
負の連鎖は最悪の結果で止められた。

心を病むのは自分を守るため

驚くほどポジティブな彼が話したことがある。
「俺は精神的に強いからいいけど、
弱かったら今ごろ心を病んじゃってるよ。」

ちっとも良かない!
心を病むというブレーキが効かなかったから
体がぶっ壊れたんでしょ。
しかも、生命を脅かす威力の破壊力で。

自分は精神的に強い。
と自信がある人ほど気を付けたほうがいい。

私は精神的ダメージを受けると、寝続ける。
目覚ましの音も電話の音も遮断し
脳がひたすらに睡眠をむさぼる。

社会人としては不適格であり
睡眠に支配された自分を恨めしくも思うが
心臓が止まるよりはマシだろう。

心を病むことがあっても
それは自分を守るために脳がした選択であって
決して悪いことではないのだ。


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