議論について
※2013年2月25日に書いたもののコピペです
以前,某掲示板とかでも書き込んだことなのですが,またまた,書いてみます.講義や研究室では,学生相手に,結構,話していたりはします.
以下の英語は,日本語では「議論」と訳されるのですが,それぞれ意味が異なります.
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discussion:
議論と言うと大げさですが,平たく言うと話し合いのことです.この意見交換の目的は,「相手の意見を負かすこと」でも「自分の意見を通すこと」でもなく,よりよい考えはなんであるかをお互いに吟味し直すことだと思います.自分と違う意見を理解し(理解するのであって,必ずしも「同意・共感」する必要はありません),存在を認め合うことで,多くの知識を共有することができます.真の問題解決には,これしかないと思っています.
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debate:
あるテーマについて異なる立場に分かれ行う討論のことです.ジャッジが勝ち負けを宣する場合もあります.自分が論戦を行うための意見が,必ずしも自分の心情と合致している必要はありません.典型的なものとしては裁判とかの弁護士のやり取りですかね.どちらかというとスポーツの試合に近いかもしれませんね.私は好きではありませんが,必要に迫られたときはやります.
男には負けられないときもあるのです(^^
学位審査などは明確に offence と defence が決められているので,典型的な debate ですね.
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dispute:
議論というよりは,罵り合いに近いもので,得るものは何もないと私は思っています.日本では,「議論」と言われてこれをイメージする人が少なくありません.ネット上の掲示板ではこのような状況を良く見かけます.
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実は,世の中には本当のディスカッションができる場所は少ないと思っています.また,どのような相手でもディスカッションをすべきだと思っております.相手が子供であろうと,そのレベルに合わせて,ディスカッションをすべきだと思っております.そのような,技術や価値観を持った人間でありたいと思いますが,なかなか難しく,そのレベルに達するのは至難の業ですね.正直,自分も修行中ですね(^^;;)