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【無料】基礎から分かる水産用語<231> ロシアナンバンとは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。

みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


ロシアナンバンとは

 ロシア極東で漁獲されるホッコクアカエビ(アマエビ)。他産地のアマエビと比べて大型で、日本国内の高級寿司店や高級飲食店などで用いられる。

 2024年におけるロシア極東の同種の漁獲可能量(TAC)は前年比4%減の8919トン。ただし、同種を輸入する最大手のロシア専門商社は「満枠消化せず8000トン程度で終漁となるのでは」と見通す。

 同商社によると、24年はロシア国内向け有頭ボイルが3000トン。かつてボイル生産量の4割程度が中国向けだったが、ロシア国内の需要が高まり現在は全量自国向け。カナダ産アマエビと競合する小型(LA、L、M)をボイルにする。その他、無頭生100~200トン程度を自国のみで消費する。有頭生は自国向けはごく少量で、ほぼ全量輸出する。24年は中国向けが4000トン、日本向けが500トンの見通しだ。

 財務省貿易統計によると、1~9月の日本のロシア産冷凍冷水系エビ(ロシアナンバンとロシアボタンの合計)輸入量は前年同期比35%減の849トンと減少。輸入単価は3%高の3859円と上昇した。商社はロシアボタンの24年年間輸入量は700トン程度で横ばいの見通しとしつつ、「今年のナンバンの輸入量の減少は危機的な状況」。輸出関税の導入や海上運賃、加工賃の上昇で国内向けが増えたと説明する。

みなと新聞本紙2024年11月19日付の記事を掲載