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【無料】基礎から分かる水産用語<135> ハモとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


ハモとは

 スズキ目に属する魚の一種で、ウナギ形の細長い体と鋭い歯が特徴。国内では主に紀伊水道、瀬戸内海、九州で漁獲されている。特に関西地方で夏に消費されることが多い。強い生命力が特徴。湯引きや鍋、かば焼き、かまぼこなどで食べられることが多いが、細かい骨があることから調理するには「骨切り」という技術が必要だ。

 体長は最大2メートルになる。気性が荒く、陸に上げてもかもうとすることから、「はむ(食む・咬む)」からハモと呼ばれるようになったという説もある。

 兵庫や大阪、和歌山、徳島、香川、愛媛、山口、大分での水揚げが多いが新潟以南の日本海や東シナ海などでも水揚げされる。主に底引網や延縄、釣で漁獲される。特に釣で漁獲し、活締めしたものは高値になる傾向にある。

 生命力が強く、少しの水でも数日間生きていられるため、物流が発達していなかった時代でも内陸部まで生きたまま運ぶことが可能だった。そのため、新鮮な海産物が手に入りにくかった京都で珍重され、ハモを使った料理が名物の一つとなっている。大阪・天神祭や京都・祇園祭のころに消費が最も高まり、特に祇園祭は「鱧(ハモ)祭り」とも呼ばれている。

みなと新聞本紙2023年7月28日付の記事を掲載