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【無料】基礎から分かる水産用語<217> アルゼンチンマツイカとは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。

みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


アルゼンチンマツイカとは

 アルゼンチンの本土沿岸からフォークランド諸島周辺に生息しているツツイカ目アカイカ科のイカ。スルメイカに似た商材として知られる。近年、国内でスルメイカ不漁が続く中、加工原料として注目が高まっている。

 国連食糧農業機関(FAO)によると、2022年の世界漁獲量は39万6358トンだった。うちアルゼンチンが16万7109トン、中国が7万5000トン、台湾が6万4196トン。その他、韓国やスペイン、ウルグアイ、バヌアツも漁獲する。日本でも1978~2006年まで漁獲していた。

 従来から天ぷらのタネやフライ、加工原料として用いられてきたが、近年ではスルメイカ代替原料としての引き合いが強まる。財務省貿易統計によると、アルゼンチンからの冷凍スルメイカ類(アルゼンチンマツイカを含む)輸入量は、21年4046トン、22年5031トン、23年7121トン。今年1~6月累計では前年同期比52・2%増の3568トンとなった。

 商社筋によると、アルゼンチン排他的経済水域(EEZ)内での今シーズン(1~6月)漁獲量は15万3215トンだった。1~8月まで漁獲が続いた昨シーズンと同水準だった。また、今年は台湾船がフォークランド諸島沖の公海で約11万トンを漁獲。6月の台湾からの冷凍スルメイカ類輸入量は前年同月比4・7倍の2272トンとなった。

みなと新聞本紙2024年8月13日付の記事を掲載