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【無料】基礎から分かる水産用語<219> 浮魚とは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。

みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


浮魚とは

  海の上・中層に生息する魚。「うきうお」と呼ぶ。海面近くを大群で回遊する魚のことで、アジやサバ、イワシ、マグロ、カツオ、ブリ、トビウオなどが該当する。表層魚ともいう。海底に生息する魚は「底魚」と呼ばれ、ヒラメやカレイ、タラなどを指す。

 浮魚はいわゆる多獲性魚種で、巻網や延縄、定置網、釣などによって漁獲される。産卵や索餌などで時期により分布域が大きく変化することも浮魚の特徴として挙げられる。

 日本では浮魚の多くが、沖合で操業する大中型巻網船団によって漁獲される。同巻網の関連団体は全国まき網漁業協会や北部太平洋まき網漁連、日本遠洋旋網漁業協同組合(エンマキ)など。

 浮魚のブランド化も進み、エンマキの「旬(とき)あじ」や「旬(とき)さば」、石巻魚市場(宮城県)の「金華さば」、大分県漁協の「関さば」「関あじ」などが広く知られている。

 農水省が取りまとめている2023年の海面漁業生産統計によると、日本での海面漁業の総漁獲量は282万トン。内訳は、1位がイワシ類(93万トン=マイワシ・ウルメ・カタクチ・シラスの合計)▽2位ホタテガイ(33万トン)▽3位サバ類(26万トン)▽4位カツオ(15万トン)▽5位スケソウダラ(12万トン)となっており、浮魚が多くを占めていることが分かる。

みなと新聞本紙2024年8月27日付の記事を掲載