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【無料】基礎から分かる水産用語<24> ドレスとは
みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。
ドレスとは
ドレス(Dressed=下ごしらえしたもの)とは、魚の内臓と頭を取り除いた加工段階のこと。可食部が多く、冷凍の加工原料として流通することが多い。
鮮魚は加工形状ごとに名称があり、それぞれ水産業界で用途ごとに使用されている。全国水産加工業協同組合連合会によると、正式な規格などはなく、「作業の円滑化のために慣習的に使われている」という。
ドレスになる前の、内臓を取り除いていない未加工の魚1尾を「ラウンド」(Round)といい、内臓を取り除いたものを「セミドレス」(Semi-Dressed)という。ラウンド、セミドレスは生鮮として流通することが多い。
ドレスを背骨の左右に割った状態を「センターカット」、ドレスから尾、ヒレ、中骨を除いた状態を「フィレー」(Fillet)といい、ともに切り身用原料になることが多い。フィレーはさらに、切り取る部位によってトリムA~Eの5種類に分かれる。
フィレーのトリムAは加熱用、B、Cは加熱と生食用、D、Eは生食用となることが多い。フィレーを背と腹に分けた際の背側を「ロイン」(Loin)といい、主に生食用となる。腹側は「ハラミ」という。
生食用のロインを整形して長方形にした状態が「サク」。サクを切ると刺身や寿司ダネとなる。