【無料】基礎から分かる水産用語<214> オマールとは
オマールとは
歩行型のエビ類の一種でザリガニの仲間。はさみ(爪)があるロブスター属に属する。名称はフランス語でハンマーを意味するオマール(homard)に由来する。カナダと米国で漁獲される北米産オマールと、英国やフランスなどで漁獲されるヨーロッパ産オマール(通称オマールブルー)の2種がある。
標準和名は北米産オマールを「アメリカンロブスター」、オマールブルーを「ヨーロピアンロブスター」と規定する。一方で、ある商社は2種の呼称について「少なくとも業者間の取引でこの標準和名は使わない」と指摘。「市場や飲食店などでも一般的にオマールやオマールブルーと呼ばれており、爪や腕がないイセエビ類(ロックロブスター類を含む)と区別される」と説明する。
国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、2022年の漁獲量は北米産がカナダ9万8100トン、米国5万4600トン。オマールブルーが英国3200トン、フランスとアイルランドが各600トンなどだった。
日本が輸入する冷凍品のほぼ全量がカナダ産。財務省貿易統計によると、23年の輸入量は1192トンで、うちカナダ産が1187トンを占めた。複数の商社によると、23年のカナダ産冷凍品の内訳はテールが半数の600トン、ヘッドが300トン、残りがホールや爪のむき身とみられる。テールのうち、高い圧力をかけ身離れを良くするハイプレッシャー(HP)が8割、ブランチが2割、生冷は若干程度だ。
みなと新聞本紙2024年7月23日付の記事を掲載