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【無料】基礎から分かる水産用語<68>クロスMDとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

クロスMDとは

 量販店や小売店でカテゴリーの異なる部門の商品を関連付けして組み合わせ、売り場で展開すること。MDはマーチャンダイジングの略で商品政策と訳す。素材と調味料を同じ売り場に陳列して食べ方を提案するなどし、消費者の購買意欲を活性化させることで売り上げの拡大を期待できる。

 青果やグロッサリーなどの他部門と連携し、メニューと商材や調味料を組み合わせて提案する。消費者に献立の新たなバリエーションなど「気付き」の提供や、商品の買い忘れ防止も期待できるという。店舗側は関連陳列によって買い上げ点数の増加や客単価の向上、各部門の売り上げ増が見込める。普段の売り場づくりでの提案に加え、ひな祭りやハロウィーンなどイベントに合わせた仕掛け、販促を行う。関係者によると、メーカーとの連携だけでなく店舗独自の取り組みも多いという。商品の組み合わせや方法はさまざま。

 首都圏の量販店バイヤーによると、水産売り場では旬の魚を訴求する提案がメインという。近年では利用度の低い原料の活用策として、調味料と合わせて陳列する例もある。調味料と組み合わせた提案の他には青果部門と連携し、刺身とネギなどの薬味の提案や、乾珍味と酒類の組み合わせも。卸や問屋が調味料メーカーと共同で、小売業者向けのレシピ作成に取り組んでいる事例もある。

みなと新聞本紙2022年11月18日付の記事を掲載