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【無料】基礎から分かる水産用語<221> 非日系市場とは
みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。
非日系市場とは
海外における日系小売店や日本食の飲食店以外の小売や飲食店の市場。日本貿易振興機構(ジェトロ)や日本政府が用いる言葉で、明確な定義はないという。
ジェトロの石黒憲彦理事長は、8月の記者会見で非日系市場を「新興市場」と並ぶ商流構築の重点化を図る市場として挙げた。新興市場は米国中西部をはじめ日本食の普及による市場開拓が期待できる国や地域を指す。
非日系市場をターゲットにすることにより、訴求の対象となる市場の規模が大幅に拡大できる。さらに「競合が激しい日系市場と比べ、新規参入できる余地が大きい」とジェトロは説明する。一方、非日系市場の開拓は現地の規制への対応に加え、現地のニーズや嗜好(しこう)、食材に合う料理の調査がより重要になる。
2023年8月の福島第1原発ALPS処理水の海洋放出に対し、中国が禁輸措置を取ったことから、水産物の販路拡大が必要になった。
財務省貿易統計を農水省がまとめた今年1~7月の農林水産物・食品の輸出額は、前年同期比2%減の8156億円になった。農産物と林産物は前年を上回っているものの、水産物は19・2%減の1934億9800万円に落ちた。禁輸措置を取った中国への水産物輸出額は94・5%(73億円)減で、輸出額は真珠、サンゴなどの4億円になった。
みなと新聞本紙2024年9月10日付の記事を掲載