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【無料】基礎から分かる水産用語<51> 広域漁業調整委員会とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

広域漁業調整委員会とは

 都道府県の区域を越えて広域的に分布、回遊する水産資源の管理を的確に行うことなどを目的とした行政委員会。漁業者の代表や学識経験者で構成する。2001年の漁業法の改正に伴い国の常設機関として設置され、農林水産大臣の監督に属する。

 水産庁資源管理推進室によると、広域漁業調整委員会(広調委)は太平洋、瀬戸内海、日本海・九州西の3つのブロックごとにある。同室は「広域にわたる水産資源を協同で適切に管理していく上で重要な機関」と位置付ける。

 近年は各広調委とも年に複数回の会合を開いており、対象魚種の広域資源管理のための漁業の取り決め、問題解決などに取り組む。効率的な運営のため、資源の分布などに応じて太平洋と日本海・九州西の広調委には部会がある。

 広調委は、合意した資源管理措置の適切な実施を担保するための委員会指示を発出する。近年の例では、各広調委による遊漁者のクロマグロ採捕の制限の他、瀬戸内海広調委ではサワラの流網漁で使う漁具の網目や区域ごとの操業期間の制限、日本海・九州西広調委ではトラフグ延縄漁の操業の承認や隻数の上限などの指示がある。

 委員数は太平洋広調委が28人、瀬戸内海広調委が14人、日本海・九州西広調委が29人の計71人。任期は4年。

みなと新聞本紙2022年9月16日付の記事を掲載