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【無料】基礎から分かる水産用語<205> バナメイエビとは
みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。
バナメイエビとは
世界で最も養殖されている中南米原産のエビ。クルマエビ科のうち「やや原始的な種」(商社)とされるリトペナウス属に属する。従来はブラックタイガー(BT)が養殖の主流だったが、BTに比べ養殖条件を整えるとより生産効率を高められるため、世界の養殖生産量は2003年にバナメイがBTを上回った。
国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、22年の養殖エビ生産量は793万トンで、バナメイが683万トンと86%を占める。養殖バナメイの国別生産量では中国が210万トンと最多で、エクアドルが次いで111万トン。その他、インドが97万トン、ベトナムが80万トン、インドネシアが72万トン。
日本で最も流通しており、輸入品が大部分を占める。無頭殻付き(原版、1・8キロ版)の対日供給はインドやインドネシア、エクアドルが多い。近年生産量が急伸するエクアドルの原版は品質が良く、インドと並んで産地価格が安価。セミIQF凍結の製品も多いためブロック凍結よりも早く解凍でき、量販店で解凍売りとしての利用が増える。
寿司エビやボイルエビ、パン粉付きのフライやフリッターといった特に加工度の高い製品はベトナムやタイ国が強みを持つ。近年の原版製品価格の下落を受け、インドでも加工度を高めた製品の生産を開始した。
海面養殖が世界の主流だが、日本では陸上養殖でバナメイを生産する取り組みも出てきている。
みなと新聞本紙2024年5月21日付の記事を掲載