【無料】基礎から分かる水産用語<223> カナダボタンエビとは
カナダボタンエビとは
タラバエビ属に属する大型の高級なエビで、スポットエビとも呼ばれる。カナダ西海岸のブリティッシュコロンビア州(BC州)で約200隻が漁獲する。2024年の漁期は5月15日~6月21日で、大手生産者5社とその他5社程度が生産・出荷する。
かつては日本向けが過半数を占めることがあったが、近年は中国向けが伸び、日本向けに輸出する会社は2~3社程度に限られる。中国ではロシアボタンエビよりも鮮度管理やサイズ選別が安定するカナダボタンを、日本ではより甘みのあるロシアボタンを高く評価する。
カナダ統計局によると、BC州からの冷凍冷水系エビ(殻付き)の対日輸出量は21年が160トン、22年が32トン。23年は統計が閲覧できる12年以降で初めて輸出実績がなかった。24年は7月末累計で66トンだった。商社によると、同統計項目の対日輸出量はほぼ全量がカナダボタン。23年は中国の買い付け数量の増加に伴う価格の暴騰で対日輸出が全くなかったとみられる。
BC州の統計によると、22年の同種の漁獲量は1600トン。23年以降は公表されていないが、同種を輸入するブルー・グローブ(東京都渋谷区、熊沢大社長)によると、23年が約1300トン、24年が約1150トンに減少したと推定する。
みなと新聞本紙2024年9月24日付の記事を掲載