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【無料】基礎から分かる水産用語<80> ズワイガニとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

ズワイガニとは

 ズワイガニ属のカニで、「本ズワイガニ」とも呼ばれる。寒冷な海域に生息するため、英語の名称は「スノークラブ」。キングクラブ(タラバガニ類)との対比で、「クイーンクラブ」と呼ぶことも。一般的にはオピリオ種のみを指すことが多いが、バルダイ種(オオズワイガニ)を含むこともある。両種とも名称は学名に由来する。

 広義のズワイは両種に加え、同属のベニズワイガニやトゲズワイガニなども含む。国連食糧農業機関(FAO)の統計でロシアは極東のズワイのデータをバルダイ種やトゲズワイ、ベニズワイも含んだズワイ類として計上する。なお、アフリカで漁獲し、缶詰で流通するマルズワイガニ(アフリカオオエンコウガニ)は同属ではない。

 オピリオ種はカナダやロシア、ノルウェー、米国、グリーンランド、日本で漁獲する。ただ、米国は2023年が過去40年間で初の禁漁となった。22年の漁獲枠は日本を除き15・5万トン。そのうちカナダが9・5万トンを占めるが、日本の冷凍ズワイの輸入はロシアからが最も多い。

 漁業・養殖業生産統計によると、日本の21年のズワイ(ベニズワイは除く)の漁獲量は前年比1割減の約2500トン。オピリオ種の雄は兵庫や鳥取などで「松葉ガニ」、石川で「加能ガニ」、福井で「越前ガニ」など地域によって呼び名が変わる。バルダイ種はロシア極東や米国アラスカ州などで漁獲する。

みなと新聞本紙2023年1月6日付の記事を掲載