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【無料】基礎から分かる水産用語<6> 遠洋漁業とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

遠洋漁業とは

 太平洋や大西洋、インド洋をはじめ日本から遠く離れた海で長い日数をかけて漁を行う漁業形態。船上生活が1年以上に及ぶこともある。遠洋漁業生産量のうちカツオ・マグロ類が約9割を占める。巻網漁業やマグロの延縄漁業、カツオの一本釣漁業などの形態がある。

 農林水産省によると、1973年に日本の遠洋漁業の生産量は約400万トンとピークを迎え、漁業全体の4割を占めた。ただ、77年に米国やソビエト連邦などが200カイリの排他的経済水域(EEZ)を設定し、多くの遠洋漁船が外国のEEZ内の漁場から撤退した。

 農水省の海面漁業生産統計調査によると、95年に100万トンを初めて下回り、2020年の遠洋漁業の生産量は前年比9%減の29万8441トンに。20年は水産業総生産量の7%にとどまった。現在の日本の操業場所について水産庁は「公海や太平洋島しょ国、アフリカ諸国のEEZで操業する」と説明する。

 漁業センサスによると、18年の全国の経営体数は「遠洋まぐろはえ縄」が13年比15%減の63経営体と減少。「遠洋底びき網」は同2経営体減の3経営体、「遠洋いか釣」も2経営体から1経営体に減少した。巻網の「1そうまき遠洋かつお・まぐろ」は17経営体で横ばい、「遠洋かつお一本釣」は1経営体増の21経営体だった。

みなと新聞本紙2022年4月1日付の記事を掲載