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【無料】基礎から分かる水産用語<85> はんぺんとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

はんぺんとは

 魚のすり身とヤマイモ、卵白を混ぜるなどして作るゆでかまぼこの一種。非常に軟らかく、フワフワな口当たりの良い食感が特徴。特に関東圏を中心とした東日本ではおでん種として人気の製品だ。

 一般的にはんぺんと呼ばれるのが白い「浮きはんぺん」。主原料のすり身は白身魚でスケソウダラ、イトヨリダイ、ヨシキリザメなどが使われる。材料をよく練り上げて成形し、気泡が壊れないようにゆでる。独特のふんわり感を出すため、高速で攪拌(かくはん)して空気を含ませるのが重要。

 はんぺんと呼ばれるねり物は全国にある。代表的なのが静岡県名産の黒はんぺん。サバやイワシが原料で濃厚な魚のうま味が特徴。静岡おでんの定番具材としても知られる。他にも京阪地方で主に食べられるハモなどを主原料にした「あんぺい」などがある。

 名前の由来は駿河国の料理人・半平(はんぺい)が創案し転じて名が付いた説や、魚のすり身をおわんのふたで半円形にかたどって作ったためとする説など諸説ある。

 食品需給研究センターが公表する2021年のちくわ・かまぼこ類の生産量で、なると・はんぺんは前年から7・3%増の3万101トンと近年では高水準だった。昨年1~11月の生産量は前年同期比26・1%増と高い伸び率となっている。

みなと新聞本紙2023年1月27日付の記事を掲載