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【歌舞伎鳩】双蝶々曲輪日記・菊・水戸黄門(錦秋十月大歌舞伎)

歌舞伎座新開場十周年 錦秋十月大歌舞伎
2023年10月2日(月)~25日(水)
昼の部:天竺徳兵衛韓噺・文七元結物語
夜の部:双蝶々曲輪日記 角力場・菊・水戸黄門 讃岐漫遊編




双蝶々曲輪日記ふたつちょうちょうくるわにっき 角力場

ざっくりとしたあらすじ
人気力士・濡髪長五郎と素人力士・放駒長吉の取り組みが行われている角力小屋。結果は長吉が勝つ番狂せに終わり、関取に勝った長吉は浮かれ模様。しかし長五郎は、自らを贔屓にする若旦那・与五郎とその恋人である遊女吾妻の仲をもつために、わざと長吉に勝ちを譲ったのであった。
きちんとしたあらすじはこちら


濡髪長五郎:中村 獅童
藤屋吾妻:中村 種之助
濡髪弟子閂:市村光
茶亭金平:松本 錦吾
山崎屋与五郎/放駒長吉:坂東 巳之助


お話が解決しない!!!!!(知ってました)
長尺の物語の中の一幕なので、やっぱり全編を知っていないともやもやする部分があるような気もします。鳩にはこの前提の共有がなかったため、完全には面白く楽しめていなかったかも。難しいところですね。

どっしりとした関取と、新人の若い力士の対比は見ていて面白かったです。
長吉が関取に勝ったことで、うっきうきなのがかわいい。それはそうもなるというものです。そしてだからこそ、わざと勝たされたと分かれば怒り悔しがるのも当然。これは結末はどうなるんだろう。

若旦那の与五郎と力士・長吉が一人二役なのですが、与五郎が花道から出て行って数瞬後に、舞台中央から長吉が出てきて驚きました。どうなっているんだ……こういうところが歌舞伎って面白いですよね。観客を楽しませる工夫が完成されている。

与五郎、推し(長五郎)を褒められてこちらもまたうっきうきで色々とやらかすわけですが、美男(だよね?)を美男のままにさせてくれないのが、さすが舞台が大阪なだけあるな……など思いました。




ざっくりとしたあらすじ
咲き誇る菊の中で、菊の精たちが、華やかに踊る。
きちんとしたあらすじはこちら


菊の精:中村 雀右衛門
菊の精:市川 男寅
菊の精:中村 虎之介
菊の精:中村 玉太郎
菊の精:中村 歌之助
菊の精:中村 錦之助


幕が開いた瞬間の絢爛さたるや。菊の花も良いものですね。
踊りの中で色恋を知る娘などが出てくるわけですが、色恋のことや娘(女)と花の美しさは古今同期されやすいものだなあ。
どれもみずみずしく儚いものだからなのだろうか。
ともかく舞台も役者さんも踊りも華やかで、見ていてただ、美しいなあと思いました。




水戸黄門 讃岐漫遊編


ざっくりとしたあらすじ
水戸光圀公が、助さん格さんを連れて讃岐国へ。
光圀公とはぐれた助さん格さんの目の前に現れたのは、美しい娘・お蝶
困っているというお蝶の世話を焼くものの、ちらりと見えたその腕には刺青が! なんとお蝶は、長次という盗賊だったのでした。
まんまと財布をすられた助さん格さんは、悪いこととは思いつつ、空腹には逆らえずにうどん屋へ。
そこには一介の老爺に身をやつした光圀公が先に来ており、讃岐国の領主松平頼常(実は光圀公の息子)に対する、町民の不平不満の声を耳にしているのであった。
黄門様ご一行は、藩の悪政を糺すことができるのか!?
きちんとしたあらすじはこちら


水戸光圀:坂東 彌十郎
松平頼常:中村 歌昇
うどん屋娘おそで:坂東 新悟
佐々木助三郎:中村 福之助
渥美格之進:中村 歌之助
娘お蝶実は九紋竜の長次:中村 虎之介
うどん職人茂助:澤村 宗之助
目付沢木源之助:中村 吉之丞
吉太郎妹お光:市川 男寅
港屋の伜吉太郎:大谷 廣太郎
山崎又一郎:中村 亀鶴
港屋辰五郎:片岡 亀蔵
うどん屋女将お源:中村 魁春


言わずと知れた水戸黄門!
こういう勧善懲悪な王道ものは安心してみられます。こういうお話大好き。
筋書きもキャラクター造形も役者さんも、安定していて間違いのない感じで、ただ楽しむことがご用意されており、その通り楽しむことができました。
テレビ版なんかですと、黄門様と知らずに親しくしていた街の人たちが、その正体を知って一気に驚いて慌てる様などがあり、それを見ているのが、とても人間らしく愛嬌があって好きなのですが、そういった演出は今回はなかった。残念。
でも良いのです。もう全然、とても楽しめました。

黄門様がことあるごとにうどんを食べたり踏んだりしているので、見ていてお腹が空きました。うどんが食べたい。


3階8列30番あたり
オペラグラスで見える、黄門様が食べているかけうどん(ほんもの)



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