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ゲストハウスの集客の難しさを感じる日々
僕はゲストハウスを開業してからずっと課題に感じていることがある。
それは自分のゲストハウスを知ってほしいと思うような人に、どうやって情報を届けるかという点だ。
基本的にゲストハウスは、予約サイトを利用して宿泊先を探す人にリーチして集客していることが多いと思う。
僕のゲストハウスでも、オープン当初はBooking.comに掲載して集客していた。
Booking.comの特徴は宿泊先を探すのも決めるのも簡単だという点がある。
数ある施設の中から場所や料金を確認して、レビューを見て問題なさそうならボタンひとつで予約を確定できる。
あまり予約の段階でゲストハウスの特徴などを吟味する人は少ないのではないかと思う。
せいぜい設備の写真を眺めるくらいだろう。
そのスタイルが僕のゲストハウスにとってはネックなのだ。
ゲストハウスは駅から徒歩10分圏内の近場にあるものの、来る途中に必ず階段と坂道を登らないといけない場所にあり、単純に駅近の便利なゲストハウスなのではない。
それが場合によっては宿泊客とゲストハウスのミスマッチを引き起こすことがある。
旅でやってくるというより、仕事や所用で駅前のビジネスホテルを利用するような感覚で予約するというようなパターンがそれだ。
一応Booking.comにはメッセージのやりとりができる機能があるが、予約前にやりとりされることはなく、予約後にメッセージしても見ていない場合がある。
そのため、いざやってきたらこんな場所だったのかというリアクションをする人も少なくないのだ。
正直こちらも旅を楽しむ人に利用していただきたいので、そうなるとお互いにメリットの少ないマッチングとなってしまうかもしれない。
非常に何ともやるせない気持ちになってしまう。
そのため、やむなく僕のゲストハウスではBookinng.comの掲載を中止した。
おそらくどこの予約サイトを利用してもこのアンマッチは起きるだろうなと思うので、現在は直接予約と民泊サイトからのみの予約導線としている。
そもそも僕が一番利用してほしいと思っているのは、ゲストハウスに泊まってみたいけど泊まったことがないような人や、一人旅してみたいと思っていたり興味があるけど出来ていないという、ニューゲストハウスユーザーの層なのだ。
僕はゲストハウスをよく利用する旅人をやっていたという人間ではない。
だからゲストハウス好きのリピーターの気持ちは正直あまりわからない。
単純に関わったことのないような人と交わる機会を提供できるコミュニティとして、ただならぬ魅力を感じている人間なだけだ。
だから本当ならば、「こんな場所に安く泊まれる宿がありますよ」という宣伝は僕のゲストハウスにとってはあまり意味のないものだと思っている。
いや、もしかしたらそうやって来る人の中にはそれを求めているという人もいるかもしれないけども。
それよりは、このゲストハウスに泊まることでこんな体験ができるとか、こういうメリットが待っているという部分が伝わるようなPRをしていかなければならない。
そのためのひとつの手段として、僕はゲストハウスであえてプランをつくって人を呼び込むことを考えた。
ゲストハウスを利用する人や、興味を持っている人は、たいてい他の人と交流することに興味があると思っている。
しかし、いざゲストハウスに行ってもその日の状況によって交流できたりできなかったり運に左右される部分もあるはずだ。
どうせなら、一人で来ても他の人と交流できたり、一緒に何かできたりするようなシチュエーションがあった方が楽しいのではないかと思うのだ。
そこで、人と交流したいという共通の目的を持つ人を同じ日に集めて、じっくり関われるような状況をこちらから用意しようというのがプランの目的になっている。
まだ内容や売り出し方に未熟な部分があるものの、もっとブラッシュアップしていければゲストハウスの利用者層ももっと広げられるのではないかと考えている。
これからもう少し煮詰めていきたいところだ。
もっと他にも有効的な方法や発信方法もあると思っていて、できるところからどんどんやっていくことが大切だなと考えている。
もっとたくさん、この体験を求めている人とマッチングできるような状況をつくっていきたいものだ。
というわけで、続きはまた今度。明日も心穏やかな1日を。