夜行バスの奇跡
2024年2月9日(金)
大阪に帰ってきている。
年末年始に帰省出来なかったので、その代わりに三連休に合わせて帰ることにした。
昨夜、バスタ新宿からバスに乗った。
僕の席は窓側で、既に通路側の人が座っていた。
一言挨拶をして座ろうとしたら、その通路側の人は友達だった。
もっと言うと、一番直近で遊んだ友達だった。
さらに言うと、先週土曜日に、東京ステーションギャラリーの「みちのく いとしい仏たち」を一緒に見に行った、東大の美術史所属の山田くんだった。
何故隣にいるのか?
全くの偶然だ。
そんなことある?
あったんだ。
なんだかよく分からんけど、マヂで。
未だにあれは何だったのかと思うけど、僕たちはこの偶然を良いことに、いつもは憂鬱な夜行バスの時間を楽しんだ。
こそこそ話したり、サービスエリアをブラついたり。
一緒に旅行に来たみたいだった。
山田くんは夜行バスでは眠れない、夜間開館まで耐えられるだろうか(彼の翌日の予定はもちろん美術巡りだ)、やっぱり新幹線にしたら良かったかと思ったけどそれなら港さんに会えなかった、眠れない時は活字です、などと言いながら、仏像の論文を読んでいた。
戦う彼をよそに、僕は爆睡していた。
京都に着いた。
山田くんは「めっちゃ寝ててスゴかった・・・」と言い残して降りていった。
大阪まで乗る僕は、彼のいなくなった隣の席に脚を伸ばして、また寝た。
それでも僕は一日中眠かった。
山田くんは僕より寝ていないのに、彼のことだからきっと夜間開館まで耐え抜いたんだろう。
スゴいなぁ。
おまけに僕は疲れていた。
明らかに、一昨日のテイラー・スウィフトのライブの影響があった。
テイラーは昨日も今日も明日も同じライブをしている上に、前後にグラミー賞とスーパーボウルもある。
スゴいなぁ。
山田くんとテイラー・スウィフトを並び称して、見習い、帰省中の予定を頑張ろうと思う。
家の予定をこなして、彼にオススメされたあべのハルカス美術館の「円空 ―旅して、彫って、祈って」を見に行こう。
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