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「Break Out」世代です
「団塊の世代」みたいな〇〇世代ってくくりにちょっと憧れる。昔はそんなことなかったんだけれど。たぶん、同じ時代を生きた人たちということで所属欲求が満たされるから、かもしれない。
で、私は何世代なのかというと、ぴったりハマる「〇〇世代」がない。(就職)氷河期世代と言えばそうなんだろうけれど、くくり方によっては該当しないこともあるし、氷河期世代ど真ん中の人たちほどの苦労はなかったので、なんとなく気後れしてしまうし。1つどんぴしゃで当てはまるのは某悲惨な事件からついた世代名なんだけれど、そんなの名乗りたくない。「さとり世代」というのも無理やりつけられた感が半端ない。
で、例えば「めちゃイケ世代」とかいう感じで特定のテレビ番組を見て育った世代、みたいな言い方もあるけれど、これだとちょっと軽すぎる。
〇〇世代っていうのはもっと人生とか生き様とかに密着したものであって欲しい。
で、ありました。
私、「Break Out」世代です。
これもテレビ番組に関係するものではあるのだけれど、これでピン!とくる方には共感してもらえると思う。
逆にピンとこない人には全くこないと思うのだけれど、いろいろ思い出したらあんなこともあったこんなこともあった、と楽しくなってきて書きたくて仕方がないので自己満足で書く。
オタク全開だし、死語も多いし説明不足なことだらけだけれど、もし同世代で共感してくださる方がいたら、そっと「スキ」をください。小躍りして喜びます。
かつて、Break Outという、インディーズバンドの登竜門的な存在の音楽番組があった。
中学生でその番組にハマり出した私は、高校で活動範囲が広がると、絵に描いたようなバンギャになった。いや、正確にいうと田舎の優等生に擬態したバンギャというか、バンギャに擬態した優等生というか。ああ、思春期。
とにかく、夏休みにはJean Paul GAULTIERのメタルプレートの長財布になけなしのお小遣いを入れて、高速バスで原宿に向かった。狙いはラフォーレのサマーセール。当時のラフォーレにあったかは忘れてしまったけれど、h.NAOTOとかALGONQUINSとかBA-TSUとか多分その辺。 愛読雑誌はKERAだった。
その後竹下通りを徘徊し、白衣とか聴診器とか黒のリップとかトランクとか、書き出していておいおいと思うようなものもを買い漁った。あ、義眼リングとかもあったな。私は買わなかったけど相方が買っていた気がする。…相方。懐かしい。
で、買い物が終わっても真っ直ぐ帰るのではなく、「橋に行こう!」と意味もなく神宮橋に向かう。「橋といえば神宮橋」なんて一般の人は思わないよねえ…。
ライブがある日はこれまた高速バスで都内に向かう。もしくは近くの親戚の家に泊まる。友達と一緒に友達の親戚の家に泊まらせてもらったこともあった。コスプレ姿ではなかったものの、奇抜な格好の子どもたちを見送ってくれた親戚の皆さんありがとう。
移動中、ジロジロ見られることもあったけれど、それが快感でもあり、「奇抜な格好をしてお年寄りに席を譲る」みたいなギャップを楽しんでいたフシもある。楽しんでいたというか、「外見で人を判断するんじゃねえ!」みたいな反発精神というか。ああ、思春期。(2回め)
会場では、「ペーパー」と呼ばれた、今でもどう説明したらいいかわからないものを名刺代わりに配っていたりした。なんか、ライブレポートとか書いてた気がする。覚えてないけど。
そうして「ライブネーム」で呼び合う不思議な関係性の人の輪が広がっていった。
Pierrot、ラクリマ、プラトゥリ、FTC、マスケラ、ラピュータetc…。
当時お金のない高校生だったので、1回のライブがとても貴重で、前日も眠れなければ当日の夜も興奮で眠れなかった。
けれど私は国立大学を目指す割と真面目な高校生だったので、高2の夏あたりからバンギャ活動は控えることとなり(卒業したとは言っていない)、地方の大学に進学してからは、自然と離れることになった。
音楽が好きなことは変わらない。今でもライブには行く。ただ、10代後半のあの熱に浮かされたような数年の体験は2度味わえないだろうと思う。懐かしいと同時にちょっと寂しい。
まぁ、大人には大人の楽しみ方があるからいいんだけどね。
ちなみにこの記事を書いている最中はずっとFANATIC◇CRISISの「ONE -you are the one-」を口ずさんでいる。本命なわけではなかったんだけど、今でも完璧に歌えることにびっくりしている。でも、そういう曲がたくさんある。きっと同世代の人は皆そうだと思う。
いつの時代も、音楽は人生に彩りを与えてくれる。
1日でも早く、以前のように音楽を楽しめる時代に戻りますように。