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【IDC2024】インディーゲーム開発者向けのカンファレンスで癖(ヘキ)を暴露した話

11/30(土)にAP新橋で開催されたインディーゲーム開発者向けのカンファレンス『Indie Developers Conference 2024』で『パネルディスカッション:もっと癖(ヘキ)なゲームを作りませんか?』という内容で登壇してきた。誘われた時は「少しでも同じ想いを秘めてる人を元気づけられたら」と二つ返事で承諾したが、大人数の前で社会的にあまり褒められるべきではない癖の話をするのはめちゃくちゃ勇気が必要だったことは言うまでもない(あとから気づいた)。

これがきっかけで地面師たちを見た。面白いのでオススメ。

登壇の内容は4gamerさんがうまくまとめているので興味がある人は読んでほしい。一緒に登壇していた72さんもアレンさんもすごくいい話をしていた。各々がnoteに登壇レポを書いてるからそっちも読もう。

この記事は当日緊張しすぎてうまく話せなかったり時間がなかったために端折った部分を補足したい。できるといいな。

お前誰?

普段は個人制作をしていて、今は少人数のチーム制作をしている専業のゲーム開発者です。
代表作は『モン娘ぐらでぃえーた』でSteamやNintendo Switchなどで3万本以上DLしていただきました(大感謝)。現在はインターネットで活動するイラストレーターのつきのせ氏と『琉奈と悪夢の館』という洋館探索ホラー脱出ADVゲームや、講談社GCLで永瀬氏と荻野氏と共に『1999トコヨビル』を制作しています。また、『unity1week Team-Up!!』というゲーム制作者と他のクリエイターを繋げるコミュニティの主催もしています。基本的に素敵なゲームが世の中に1本でも増えたらいいなぁってマインドで活動しています。テンプレおわり。

癖とはなんだ?

補足する記事と言いつつ早速引用するが、つまりは他人から言われてもつい出したくなってしまうもの(意識しないと漏れ出るもの)だと思っている。それはキャラクターの属性やゲームデザインに至るまで、メジャーだろうとマイナーだろうと自分がこだわりたいもの全てだ。それを解き放とう。

僕の癖

僕の癖は色々あるが今回の登壇で主に語ったのは「可哀想」である。所謂「リョナ」とか「かわいそかわいい」とされるものである。近年ちいかわやメイドインアビスなどでメジャーになりつつあるが元々マイナーではない。しかし人前で堂々と言えるものではなく仄暗い癖だと僕は思っている。ちなみに細かい話をすると僕は攻め側ではなく受け側に感情移入するタイプである。一口にかわいそかわいいと言っても色々派閥があるんだよ。

登壇でも話したが、おそらく最初のきっかけはロックマンエグゼのロールちゃんだ。カラードマンという敵にやられている姿にドキドキした記憶が印象に残っている。その後は漫画やゲームでボロボロになっている様々なキャラクターを見ては心の奥からなんともいえない気持ちが込み上げていった。亜人や人外が虐げられて興奮するようになったのは間違いなく『WILD ARMS』シリーズの影響だろう。1と2はPlayStation®Plus - クラシックスカタログで遊べるよ。

大勢の前で癖のルーツを語った上にネットの記事にまでなってしまった(4gamerより引用)

ゲームを作る理由

なぜゲームで癖を発信していくのかについて、僕はゲーム制作する理由に世の中にそのゲームがあってほしいというのを一番に考えている。

売れるとか、誰かのためではなく、自分のためだ。自分が救われたいから作る。それを自分と同じ気持ちを持つ人が手に取ってくれたら嬉しい。

世の中にゲームが増えまくって自分で作らなくても好み100%のゲームが溢れるなら僕はゲームを作らないと思う。しかしそれが現実にはならない。なぜならゲームは世に出てくるものが少ない。だからこれからも僕は自分でゲームを作り続けるし、他人のゲーム制作を手伝うのだろう。

癖を強く押し出すメリット・デメリット

メリット

72さんも言っていたがマイナーであれば「〇〇の人」というレッテルが貼られ覚えてもらいやすい。メジャーであっても「俺は〇〇をこだわってる」と言い続けていればきっと認知されるだろう。ここはメリットを語るフェーズだからこんなこと言ってるけど、一番を目指さなくていいし認知をされなくてもいい。何度も言うが僕は「自分」と「同志」に届けばいい。

もうひとつ、理解されにくい癖を受け入れて貰えると自分は「一人ではないんだ」という救われた気持ちになる。僕は荒野を耕し、種を植えている。実ったそれを受け取った人が新しく種を蒔き、次は僕がそれを摂取するんだ。

「どんなときでも、ひとりじゃない」は僕が好きな言葉。荒野という厳しい環境で健気に生きるRPG『WILD ARMS』シリーズをよろしく。1と2はPlayStation®Plus - クラシックスカタログで遊べるよ。

ちなみに精神的続編の『ARMED FANTASIA』も開発中。

デメリット

メディアやプラットフォームが扱いにくい癖もある。具体例を挙げるとSteamをはじめとした国外プラットフォームにおける「見た目が幼いキャラクターへの暴力的な描写」など。これは日本人の感覚がおかしいのも間違ってないが…。法は犯してないのにプラットフォーム側に拒否されることはままあるし、拒否されなくてもそのプラットフォームのユーザー層によって受け入れてもらえない場合がある。マイナーな癖はしばしば他人に拒否される。当初は僕も気にしていたが、みんなに好かれようとするなって話でおわり。まず自分自身で肯定しよう。

マーケティングについて

「じゃあなんすか、メジャーなプラットフォームで受け入れてもらえないゲームは売り上げを気にするなって言うんすか」ってなるよね。そうじゃなくて戦う戦場を見極めるのが大事だと考えている。例えばSteamで売りにくいあなたのゲームはDLsiteでは肯定してくれるかもしれないとか、TGSでは見向きもされなかったゲームがコミケでは大人気とか、英語向けの発信をしてみたら世界中にあなたの癖の同志が!とかそういうの。

あとは自分でその癖が売れる土壌を作るのも大事。例えば僕は自分含めプレイヤーが好きなものを見つけやすいように『かわいそかわいい島』というプチオンリーを主催したり、色んなSNSや動画共有サイトで好きなことについて発信している。荒野を開拓していこう。そんな希望に満ちたRPG『WILD ARMS』シリーズをよろしく。1と2はPlayStation®Plus - クラシックスカタログで遊べるよ。

さいごに

僕は自分の癖を満たすために足掻いている様子を見るのも癖なので一緒にがんばりましょう!応援します!これを読んだ創作者に勇気を与えられたらうれしいです。

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