【ゲーム】日本統治下の台湾で日本への愛憎を描く「添丁の伝説」
日本統治下の台湾で実在した義賊を主役にしたアクションゲーム。私腹をこやす日本軍人をカンフーでこらしめ、台湾魂を見せつけた、「実在した」正義のドロボウの話です。
日本でも戦国武将が超人になったり女体になったりしてますが、これもプレイ中に100回ぐらい「いねー!」「実在しねえ!」と叫びながら遊ぶことになる。完成度も高いけれど、それ以上に初めての感覚が新鮮なゲームでした。
主人公は日本人をギャフンといわせた庶民のヒーロー。主人公を引き立てるために日本人を悪者として描かないといけない。
日本人が香港を見くだし、飢えたホームレスをゴミのように排除する場面がある。しかしそれもこれも、全て漫画の世界の中の話のような演出をされているので、おおもとになった人物はいるんだろうけど、こちらも気持ちにクッションを敷いている。
「ここは誇張、これは本当にある建物だろうな」
と少し考えながら進めている自分に気づいた。
台湾のヒーローを今風に描きたい。そのためにコンプライアンスに反しても「鬼」のような日本人が必要。
だけど、良心と命令のあいだで揺れる日本人もいたり、
「子供のころ夢中になった台湾のヒーローを残したいだけで、日本人に憎しみを抱いてるわけではない」
ことが暗に主張されている。
なによりゲーム好きなら手触りでわかる。
今、アクションゲームをここまで完成度高く作れる人たちが日本のゲームを通って来てないはずがない。
そこが、言わなくてもわかるぐらいしっかりしている。
基本は敵をバシバシ殴って戦う軽快なアクションゲーム。簡単なコンボで敵の武器を奪い、ガンガン使い捨てる。「くにおくん」以上、格闘ゲーム未満。適度にテクニカル、でも適当にやってもクリアできる難易度。
会話は荒唐無稽だけど、報酬で出てくるアイテムが実在のもので、資料のように集まっているのを見ると、ぐっと雰囲気が引き締まる。
飢えた人が街中に座り込んでいる生活の中の「森永ミルクキャラメル」の貴重な感じ!実在感!RPGでは序盤の回復アイテムで大量消費できそうなキャラメルの、物資が不足した世界での重み!
背景やみんなの歌ってる歌は全くおふざけなし、かと思えば誇張されたマッチョ日本軍やセクシー忍者とかが出てきて、悲劇と娯楽をダンゴにして投げつけられたようなゲームだった。XBOXゲームパスやSteamで遊べる。
台湾少年マンガ