かっこよくて憎たらしいカプコンは新作でも健在だった「くにつがみ」
XBOXで「くにつがみ」を遊んでいます。
穢れた日本風ファンタジーの世界を浄化する「巫女」、のような人を護衛するゲーム。
凝ったアートを堪能するゲームだと思っていたのに、かなり手加減のない難易度で、
「これだ…ディス!イズ!カプコン!だ!」と歓喜している。
やってられっか!と胸の奥で叫んでるし、なんならラスボスで挫折しそうだけど、どこかで嬉しい。
子供のころの、クリアできるのが想像できなかった「ロックマン」、
仕組みを理解するまで難攻不落の要塞のようだった「バイオハザード」、
ゲームセンター出身で二面ボスが容赦なく殺しにくる「ファイナルファイト」。
昔から、そもそも全員にクリアさせる気がないゲーム作りをしていた、かっこよくて憎たらしい「カプコンのゲーム」が完全新作でも健在だった。
プレイヤーは巫女にどこまで移動するか指示をして、近寄ってくる敵をたおしたり、探索をして集めたエネルギーで「村人」を就職させるハローワーク人間になる。
村人に弓を持たせるか、力士にして壁がわりにするか、埋まったつづらを掘り当てる盗人にするか。
就職を決めたり強化した村人が、就職できてうれしいのかダンダン!とステップを踏んだり、歌舞伎っぽい動きをするけど、ちゃんと木の板の舞台で足踏みをした「響き」が聞こえて、
「うわすげええ!そのこだわり、俺は気づいてますよ!」
と、開発者と心で通じ合った。
その直後、なんの攻撃も通じない敵に何されたかもわからないぐらい瞬殺されて、
「お前らちゃんと未経験者にテストプレイさせたのか!」
と、開発者に心を閉ざした。
敵やステージデザインの細部がおそろしく凝ってて、どれくらい凝ってるかというと、次のステージに行くときに、ワクワクをじゃっかん怖さが上回る。敵のデザインが邪悪すぎて、こっちのちびちびした攻撃が通じる気がしない。
ジャンルでいえばアクション+戦略モノ(タワーディフェンス)で、
後半はパリィもある本格的なアクションに気をとられていたら、別ラインから巫女が襲撃されていたりする。守護る対象の巫女をどこで待機させるかが重要だ。
敵を観察して攻略方法を考えて、味方に適切な指示を出し、自分もある程度のアクションがうまくいって、今までゲームでつちかってきた能力を総動員してクリアしたとき、最高潮の気持ちよさが来るゲームだ。
お前のゲーム人生30ウン年の経験をかけて挑んで来い!と言われた気がして、意地でクリアをあきらめてない。
XBOXの実績獲得率で、プレイした人の何割がラストまで来れたかだいたいわかるんだけど、最終面に到達した人、今のところ3パーセント以下。その3パーセントに選ばれたいのよ。すべりこみたいのよ。スト6の真の奥深さには到達できてない感覚があるから、こっちは越えたいのよ。
皆さんにも、終盤で頭がお寺の鐘になってる敵がいるんだけど、そいつの、ゲーム史上有数の「硬さ」を感じるデザインに絶望してほしい。
こいつが来たら槍兵の槍がつまようじに思える。自分の頭を持っている棒でゴンゴンやり始めるんだけど、話がつうじなさそう。案の定固いのよ。硬い。硬いよ・・・。
「ロックマン」にイエローデビルという伝説的に厄介な敵がいるんだけど、今自分が感じている硬さは、リアルタイムでイエローデビルに出会った小学生が感じた硬さだ。
カプコンはいつでもゲーム好きの前に立ちはだかってくれる。
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読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。