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「ライフイズストレンジ3」を始める。過去作を振り返る。(ネタバレなし)

ライフイズストレンジは、ゲームに興味がない人に自信を持って紹介したくなるゲーム。

女性キャラクターが登場人物として扱われ、強引な流れでスクール水着とかを着させられないゲーム。
(この説明のしかただとゲームが遅れてるみたいで悲しくなるけど、日本ではファンタジーですら普通にある)

一番愛されてるシリーズ一作目。
時間を巻き戻せる能力に覚醒した子が、いかにも海外ドラマに出そうな学校で、不良っぽい親友と再会して悪い遊びをしたり、行方不明のクラスメイトの謎に迫ったりする。

部屋にあるものを調べていくことでキャラクターの性格や好き嫌いがわかってくる手法に「なんてきれいな語り口のゲームだ」と思った。
主人公が日記をずっとつけていて、日記で久しぶりに遊んでも話の流れが思い出せるだけじゃなく、ゲームが始まる前にどんなことがあったかがわかったり、セリフで発してないことが書かれていたり、人間くささを深く表現するアイテムにもなっている。

もっと評価してほしいエピソードゼロの「ビフォアザストーム」

主人公の親友だったもう一人が主人公。
裕福じゃない家庭に、新しい父親が来てなじめないでいる思春期の女子の話。
未来の見えないアメリカの田舎で、本当のお父さんの夢を見たり、安い月給で働く母の背中を見ながら、退屈な日々を抜け出すきっかけを探す。ダイナーに勤める母や車の整備をする父も、よくドラマにありそうな光景。

1作目とどちらを先にやってもいいけど、これをやると、ふつうっぽいけどアートの才能と超能力まであって恵まれていた初代主人公に比べて、不良っぽいこの子は何も持ってないことがわかって、それで再会したときあんなに喜んでたんだ!と互いを補完できる。

問題作だが見捨てないでほしい「ライフイズストレンジ2」

物を操って破壊できるテレキネシスに目覚めた男の子と、なにも持たない兄が事件に巻き込まれて逃亡していく。

弟の保護者がわりになった兄を操作して、つらそうに歩く弟を見守る。胸の痛むシーンが多い。お菓子を売ってる店で、ずっとお腹をすかせた弟にお菓子を盗むか、どれだけつらくてもがまんさせるか。

くっ!ここでそれをプレイヤーにゆだねるかー!と悩ませてくれる。世界のプレイヤーがどちらを選んだか、結果があとで表示されるのがちょっと楽しい。

子供に盗みやドラッグを見せたり、移民として生きる現場があったり、そこまではいいにしても、わざとらしいほど不幸が連続して、ぼくの周りでは、これでシリーズに冷めたという人が多い。

人種差別!宗教!貧困!ドラッグ!こういう問題にゲームが向き合ってますよ!どうですか!
って、続けられると、だんだん「作った人は楽しんでほしいのか?」と疑問が浮かぶ。

完全に支配下にはおけない弟に、どこまで厳しいことを言っていいかなど、実際の家族でありそうな選択肢が続く。
冷静になって思い出すと、クリスマスツリーを準備するところとか、いい場面も多いけど、プレイ中は、わざわざゲームでつらい思いをしたくない…と思ったのもたしか。

「妹」だったら違ったのかな…でもあえて男兄弟でやるところがこのシリーズの「尖り感」でもあるし…。
シリーズ通して遊ぶと、
「能力をもつ方と、もたないパートナー」
のモチーフは共通して、全く違う内容にしていることが面白い。単独で2だけはあまりお勧めできない。

そしてlife is strange:true colors

序盤・1日目をしっかりプレイ。まず、シリーズ通してローカライズの手間がかかる割に売り上げはギリギリらしくて、スクウェア・エニックスの良心で日本発売できたパッケージなので、スクエニを讃えてから遊ぶ。

新主人公はメガネをかけた女性で、能力は「心を読む。」
これだけしか事前情報がなかった。

実際には、「心が読める半面、強い感情を持つ人に近寄ると自分が制御できなくなり、暴力を振るったりする」
メガネだけ見ると優等生っぽいけど、施設育ちでたくさんのピアスと小さいタトゥーがあって、体格がちょっとゴツい。腰回りの太さがアジア系の女子のものじゃなくて、ゲームでは珍しい造形。

ああ、この感じだなあ。歴代主人公は芸術方面に才能があるけど、写真、絵画ときて音楽。
この女性が兄とともに新しい町で生活していく。実在のレコードやブロック崩しゲーム「アルカノイド」が登場して本当に遊べる。

超能力でありながら精神疾患のようにも見える

人の具体的な心の声が聞こえるのは超能力だけど、ネガティブな人に感情をかきみだされるのは、能力とほんのわずかな隔たりしかない精神疾患のようなものにも見える。

僕が思い出したのは、買い物をしてたら店員に声を荒げている客がいたとき。言い合っている当人よりもハラハラして見るに耐えなくなる。そのときの感覚に似てる。
まあ、ぼくが遭遇した声のでかい客は、単に耳がとおくて自分の声のボリュームがわからなくなってる爺さんのようだったけど。

兄の欲しがったキングスオブレオンのレコードと、
妹が歌ったレディオヘッド。

実在のアイテムが登場して、好きなものがそのキャラクターの説明になっている。
3作共通して、音楽にあわせて踊るシーンがあることに気づいて、これは日本にない感じだな、と毎回アメリカにホームステイさせてもらっている気になる。

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読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。