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【読書記録】阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし

子どもの頃、お姉ちゃんが欲しかった。
私には兄が二人いて、親にしてみれば「妹」を望まれても困るが、
ましてや今更「姉」はかなえようもない。
(末っ子を謳歌していた私に「妹」という選択肢はなかった)
大人になるにつれ、私が特に仲良くしている人は
姉妹の人が多い。
お姉ちゃんと仲がいい、とか4人姉妹とか。
そういえば母も4人姉妹である。
そんな姉妹達を見るにつけ、姉妹のいない自分は
どことなく寂しいような気がする。
彼女達の持つ「楽しみ」が一つ足りない気がする。

この本を読むまで、阿佐ヶ谷姉妹を本当の姉妹だと思っていた私。
テレビで拝見するたび、お上品で可愛らしい雰囲気のお二人を好ましく見ていたのだが、本当の姉妹かどうかを確かめるほどの関心を持っておらず、申し訳ない。
が、あまりにも似ていて、姉妹だと思って当然とも言える。
調べるまでもない。
兄弟でコンビを組む方は多いから、言わずもがな。
はっはーん、という反応ぐらいである。
読み始めると、あら?苗字違うじゃん。
でも二人で住んでるんでしょ?
何か特別な事情が…?と思っていたら、まさかの他人。
嘘やん。

顔も似ているが、お二人、
文章から醸し出される空気まで似ている。
それぞれ、内容や文章にもちろん個性はある。
お二人とものほほんとした空気は共通。でも、エリコさんの
方がより優しげ。ミホさんの方が若干芸術家気質っぽいような独特感。
一緒に暮らしている苦労も、楽しさもその文体から全て楽しげに
感じる。
文句も不満も全て表現がお上品というか控えめというか好感が持てる。

ああ、赤の他人でこんなにも似た空気で一緒にいられるなら、
私にも今から姉妹ができるかもしれない。
血はつながらずとも、もしかしたら…なんて思える。

さて、このエッセイ、何かきっかけがあって読みたいと思い、
図書館で予約したのだが、何きっかけだったかが思い出せない。
うーんなんだろう、と思っていたら、
NHKで今年ドラマ化されたのがきっかけだった。
ドラマは観ていないけれど。
阿佐ヶ谷で撮影されたのだろうか。
阿佐ヶ谷という町に土地勘はないけれど、
二人のエッセイを読んでいたら阿佐ヶ谷というまちも
住んでみたくなる。
二人が阿佐ヶ谷に住み、「阿佐ヶ谷姉妹」となり、
地域の人と交流してきた過程も、
阿佐ヶ谷にこだわる様子も二人にブレがないところも
なんとも良くて、
私、これから二人をより応援していこう、と思った次第である。

結婚するしないとか子ども産む産まないとか、
ガツガツ働くとか、自分の身の丈に合った生活をするとか
いろんな価値観の中で、
気の合うもの同士でいろんなものをシェアしながら生きる姿というのは
これからの「生き方」の一つとしてのお手本を見せていただいたような
気がする。







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朝月広海
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