『隻眼の少女』を読んだ
タイトルに惹かれて手にした『神様ゲーム』が予想以上に面白くて、続編『さよなら神様』もあっという間に読了。なにこの人おもしろー、って作者のこと軽く調べて、え、すご、この人京大出身なんだ、
ああ、じゃあミステリ研究会出~と納得したところで、ほかの作品も読んでみようかな、どうせなら代表作をと手にしたのがこちら。ここまでほんの数日間。
久々にお気に入りの作家さん見つけたかも~ってテンション上がって気合入れて読み始めたのに、いやごめん、正直期待外れだった。別の意味で最悪だった。
なんつーか、古いんだよな・・・
「新人類」なんて出てくるくらいだから、相当前に書かれたのかな。神様ゲームは時代を問わないライトな語り口で、予想外でドライな結末も良かったのに。あまりに惜しい。
いや、古臭い世界観をあえて構築してることはよくある。特にミステリでは。その古さはむしろ愛しく思えるくらいなのに。残念ながら『隻眼の少女』はスルーできるほど甘くはなかった。
問題なのは、あーこの人リアルには絶対モテないだろうな~臭だ。
時々出会ってしまう。いや時々どころかわりとよくあるかもしれない。これ自分が女だからか男の作者に限って頻繁に感じ取れてしまう非モテ臭。それだけでもしんどいのに、性癖まで漏れ出ちゃってるから、こっちが恥ずかしくなっちゃうのだ。
二代目みかげと静馬が『契りを結んだ』場面でピークに達した。一文で読者をドン引きさせてしまう荒業を披露している。
固まったね。本当に凍った。
文章を読解することを全自分が拒んだ。
読んでいる最中から、これ『屍人荘の殺人』や『星降り荘の殺人』に通ずるものがあるなと嫌な予感はしていた。
ミステリというからには結末が気になるのに、匂いがきつくてストーリーに集中できない。ラストに至る過程を楽しめない。
ああ、ミステリではないけど『死にたくなったら電話して』も同じ意味でひどかったな。
ウィキ情報だけど、作者は作品に独特の仕掛けを施す傾向があり、『隻眼の少女』に登場する刑事4名の下の名前は『特捜最前線』のレギュラー刑事から全て引用されている、らしい。フーン、そうなんだ。でも、特捜最前線1ミリも知らね。
肝心のラストだけど、自分は、想定内だった。
そして今私は悩んでいる。
『貴族探偵シリーズ』に手を伸ばすかどうか。
なんだかんだ気になっちゃて、こんなnoteまで残す時点で、作者のこと大好きじゃん自分。やばいわ、麻耶雄嵩。ここまで計算してあえてのあの世界観か?!
と、いうことにしておこう。