”Guardian Angel” by Arthur C Clarke (6)
”Guardian Angel” by Arthur C Clarke (6)
議論も抗議も ― 全ての事は無駄だった。
どんな武器もこれらの巨人に触れることはできず、もしできたとすればその墜落は下にある諸都市を壊滅的に破壊しただろう。
一晩で、地球は人知を超えた影を有する星の輝く帝国の保護領になってしまったのだった。
暫くして騒ぎは収まり、世界はまた日常を取り戻して行った。
突然目覚めたリップ・ヴァン・ウインクルが気が付いた唯一の変化は、オーバーロード達が光る宇宙船から姿を見せ、降りて来る時に、人類が待っている、肩越しに何気なく見る、心理的な静かな期待だった。
5年後、まだ待っていたのだった。
***
部屋は小さく、ヴィジョンスクリーンの下には一つの椅子とテーブルを除いて何も置かれていなかった。
思った通り、それを作った生物については何も語っていなかった。
入口が一つだけあり、それは大きな宇宙船の湾曲した腹部にあるエアロックに続いていた。
そのロックを抜けると、生きている唯一の人、ストームグレンだけが地球担当監督官カレルレンに会うためにやってきたのだった。
今はスクリーンは、いつものように、空白だった。
その暗黒の長方形の後ろには、完全な謎が隠されていたが、そこには人類への愛情と寛大な理解も横たわっていた。
理解は数世紀にわたる研究を通してのみ得られた理解であることをストームグレンは知っていた。
隠れた格子の所から、ユーモアが底流に流れている、静かな決して慌てない声が聞こえてきた。
その声は、ストームグレンに充分おなじみの声だが、世界は歴史上たった3回しか聞いたことのない声だった。
「ああ、リッキー、私は聞いているよ。