“The Zero Meter Diving Team” (16)
“The Zero Meter Diving Team” by Jim Shepard (16)
https://bombmagazine.org/articles/the-zero-meter-diving-team/
http://pioneer.netserv.chula.ac.th/~tpuckpan/shepard-zerometer.pdf
現在分かっている通り、放射能に汚染された区域は、10万平方キロメートル以上である。
チェルノブイリで働いていた多くの人が死んだ。
多くは未だに生きて苦しんでいる。
特に、子供たちは、口腔癌のような、原因不明の病気に苦しんでいる。
モスクワの生物物理学研究所の所長は市民の間では放射能疾患の報告例は無いと公表している。
保健省に治療費の申請をした人々は放射能恐怖症だと言って責められる。
大量の放射性核種が汚染区域の貯水池や帯水層に流れ出している。
人間が住めるようになるには約600年±300年かかると推定されている。
僕の父は300年だと言った。
彼は楽観論者だった。
概ねの数字でも、誰も、何人の人が死んだのか知らない。
原子炉は石棺で包まれ、最悪の有り得る状況を想定して作られたのに、広大なコンクリートと金属のピラミッドがすでに崩壊の危機にあると知らされた。
亀裂から雨がいり込み、塵芥が漏れ出し、小動物が出入りしている。
僕は校庭を出て松の小木の生えた小道を歩いた。
見渡す限り、車両がうち捨てられていた、消防車、装甲兵員輸送車、クレーン、トラクター、救急車、ミキサー車、トラック。
世界最大の廃品置き場だった。
汚染されているのに、大部分が部品を抜き取られていた。
道路から離れるたびに、線量計の測定値に1000マイクロレントゲンが追加された。
ミカエルが死んだ次の週、僕は父に手紙を書いた。
他の人々の道徳的怒りについて質問した。
あの大参事の時に作りだされた、自己満足、自己賞賛、腐敗、保護主義、心の狭さ、自分に向けての特権、という病を非難する切り抜きを送った。
僕が見たトラクターの横に書かれた落書きを、彼のために、写し取った。
それには、ある種の怠慢と無能は他人の愛国心で塗りつぶせない、と書いてあった。
父からの返事はなかった。