“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (42)
“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (42)
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心も足取りも軽く、ヴィクトルはトゥヴェルスカヤ通りを赤の広場に向かって歩いた。
靴に霧雨が浸み込むのを除けば、細かい霧雨には無関心です。
霧雨がどしゃ降りに変わったので、コニャックを飲もうと人民バーに入り、不快感を忘れて、人々が清潔で穏やかな事に驚いた。
雨がやんだ時、歩きはじめ、靴屋に入り、靴の値段がまるで電話番号の様に高いのに憤慨した。
35
彼は北京レストランに戻ってきた。
脚は痛かったが、安堵感はあった。
ビムは玄関の棕櫚の木のところで、細い葉巻を吸いながら立っていたが、ヴィクトルを見て棕櫚の木に葉巻を押し付けて消して、木のケースにしまった。
「こちらへ」と言いながら、「予約席」「禁煙」と書かれた離れたテーブルに案内した。
ヴィクトルが上着を椅子にかけようとすると、「それはクロークで預かりましょう」と付け加えた。
「食事は飲んでからにしましょう、何を飲みますか?」
「コニャックをお願いします」
すぐに年長のウエイターが注文を取りに現れた。
ビムは再び葉巻に火をつけた。
「銀行家は来ますか?」
「そんなに早くは来ません。ところで、アンドレイ・パブロビッチから、乾杯。あなたは帰ったら彼の消息を調べなければいけません。」
「彼に何かあったんですか?」
「元気ですよ、そして又自由になりました、」と言う返事が葉巻の煙の中から帰って来た。
「じゃあ、選挙の後で、逮捕されたんですか?」
「とんでもない、彼が補佐していた代議士が選挙の翌日、コールガールとお楽しみ中に死んでしまったのです。」
この将来の変化をどう考えればいいのか分からなくなり、ヴィクトルは頭が真っ白になった。
ビムは笑って、ちょうどそのとき、彼のアニス入りのウオッカとヴィクトルのコニャックが運ばれてきた。