“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (48)
“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (48)
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突然、レストランでビムとエルダー・イワノヴィッチとの会合に期待していたものは奇跡だったのだと気がついた。
ちょうど、子供がお父さんから、眼を閉じてそれから目を開けてごらん、と言われた時の様な。
今、ビムとエルダー・イワノヴィッチの魔法の効果を驚きながらみる事になったのだ。
しかし、かれはそうと知っていてミーシャを捜しにチェチェンへ向けて出発したのだろうか?
それとも、単にそのチャンスを覗っていただけだろうか?
そうだと断言すべきだろうが、恥ずかしい事に、そうだともそうでないとも断言することはできなかった。
2匹のカタツムリの内の一つがもう一方のカタツムリを葉の上から落として、自分だけが葉っぱの上を歩こうとしているのを見て、ヴィクトルがそのカタツムリをつまんで地面におろした。
「神があなたに友人を見付けさせてくれますように」と言いながら、老人は立ち上がった。
「あなたの名前を教えてください。」
「マトヴェイ・ヴァシリエヴィチだ、ちょっとションベンしてくる。」
ヴィクトルは缶詰の肉を食べ終えて、男にありがとうと言って匙と登山ナイフを返して、いつ出発するのか聞いた。
「暗くなってからだ」
「遠いんですか?」
「聞いていなかったのか?」男は驚いてヴィクトルに聞いた、その言い方にはわずかな外国語の訛りがあった。
「いや。 そうだなあ、お前はエルダーの仲間とわかっているので、言うけど、おれはレズバンだ。」
彼らの目的地はアチホイ・ユルトで、明後日着くだろう、と彼は言った。
道路が7か所封鎖されているが問題ない。
彼らは毎週通っている。
彼らにはロシア連邦に、安全な輸送に関心のある友達がいる。
アチホイ・ユルトでは緑十字が機能するようになるだろう。
彼らは、行方不明者、死者、捕虜を追跡したり、交渉を手伝う準備をしたりと、色々な事をやるチェチェン人で、優秀な人材だ。
「前回は、一回の身代金で8人を救出した」と、レズバンは誇らしげに付け加えた。
「実際のところ、一人は失敗したけどね。彼のせいだけど、それは言われないだろうけど。山岳地帯では、致命的だよ。おまえは写真はもらったのか?」
「写真?」
「お前は誰を探しているんだ」
ヴィクトルはその質問には答えなかった。
「私はあなた方と一緒に帰れるんですか?」
「2つ方法があるが、我々の方が安い。連邦政府のヘルコプターで帰る方法は300ドルかかる。」
再び着信音が鳴って、レズバンは携帯電話を取り出しながら去って行った。
ヴィクトルはミニバスに戻って、豪華なカーテンを彼の方に引っ張って、頭を窓にもたれかけて、眠りに就いた。