“Writing Box” by Milorad Pavic (13)

“Writing Box” by Milorad Pavic (13)
https://jp1lib.org/book/16698678/7e0b66

 「あなたは誰なの、スングルフ?」
 「小さな天使です、お嬢さんが自分でおっしゃったように。」
 ずっとそのような会話にイライラしていた少佐が私たちの会話を遮った。
 「若いレディーが私たちに見せてくれた毛皮のコートはいくらなんだね?」
「6万です、」と、スングルフが言った。

 その時エヴァが自分の服を着て私たちの前に現れた。
少佐は座って足を組み、ゆっくりとキューバ製の葉巻に火をつけ、「パルタガス」タバコの匂いのする煙の輪をはいた。
私たちはみんなしばらくの間無言だった。
その後、私はできるだけ大声でくすくす笑い、エヴァは彼女の涙を拭き、売り手はついに敢えて聞いた:
 「紳士はお決めになられましたか?」
 「何ですと?」と、少佐は彼を遮って、彼の小さなポケットからハンカチを取り出して彼の葉巻の煙をその中に吹き込んで匂いを付けた。

 「紳士はその毛皮のコートをお買いになりたいのですか?」
「私がその毛皮のコートを買いたいのかだって?
私は君がそれを包装してくれるのを待っているんだよ、君、そして私のカードは君の前のカウンターの上だよ。」

 売り手は二度見しそうになった。:
 「すみません、今日はちょっといつものスタイルと違うんです。すぐにすべての手続きをしますので。」

 すぐに彼は豪華に梱包された毛皮のコートを持ってきて少佐に手渡した。
そして、少佐はそれが最後になるとは知らず私にキスをして毛皮のコートを私にくれた。
私はエヴァにキスをした。
 「彼女にはキスをする相手がいないのよ、そして私は後であなたにキスするつもりよ、毛皮のコートの事で、」と、私は言った。
そして私は嘘を言ったのだった。
これらの言葉とともに、私たちは店を出て、車の中に座った。
今度は少佐が運転した。
 「どこに行くかね?」と彼は聞いた。
「シシル通り。そこで降ろしてくださる。
私たちはママのためにコンドームを買うつもりよ。
彼女はレモンの香りのそれを3つとパイナップルの香りのを2つ、シナモンアップル味のを一つ注文したの。
あなたが使うのと同じ種類の。
私の車はここに、駐車スペースに置いて行っていいわ。」

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