“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (41)

“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (41)
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34
北京レストランはコーカサス人で混んでいた。
ヴィクトルは上着を椅子の背にかけて、注文を取りに来る人がなかなか来ないんじゃないかと心配しながら座っていた。
すぐ、東洋人の容貌の若い男が、アラカルトを注文するより、ビジネスランチの方が簡単で速くできますよ、と言いながら、メニューを持って来た。
ビジネスランチはモスクワっ子がお気に入りだと言うので、ヴィクトルも彼の言う事を信じて、それを注文した。
かれは、甘酸っぱいスープをすばやく飲み、食べられないタケノコをお椀に吐き出した。
その後、ポーク・アラ・セ・チューエンとご飯、そして緑茶が供された。
満足して、手元にある問題に考えを集中する事ができた。
「ビムにはどこで会えますか?」と尋ねると、ウエイターはちょっと耳を傾けて聞いた。
「彼はすぐここに来ます」と静かに答えた。
「コース料理はこれで全部ですか?」
「はい、ありがとうございました。」
かれは、緑茶を飲んで、隣の席でウオッカを飲みながらビジネスランチを楽しんでいる4人の客を観察した。
不健康にずんぐりした指輪がきつきつの指は、早死の可能性を示唆していた。
「私に会いたいと言うのはあなたですか?」と何の変哲もない灰色のスーツを着た見栄えの良い男が、ヴィクトルのテーブルに腰を下ろして言った。
「キエフのアンドレイ・パブロビッチが、助けが必要な場合はあなたのところに行けと言いました。」
ビムは笑いながら「彼は元気ですか?」
「人民議員に立候補していたときは元気でしたが、副補佐官に降格されたので、それほどでもありません。」
「心配無用です。人生いろいろありますから。あなたの問題は何ですか?」
「話せば少し長くなりますが・・・」
ビムがうなずき、ヴィクトルはミーシャの事、ペンギンとの葬式、彼自身の強制的な南極への飛行の話をし、過去に死亡記事を書いたことは省略した。
スフインクスについて話すと、ビムは少し考えるそぶりをした。
「我々はもうガス・コマース銀行とは一緒にやっていません。あなたのペンギンは盗まれたわけではないので、合法的にスフインクスの物になります。しかし可愛い女の子のために買い戻すか交換するかするのは可能でしょう。交渉が必要です。私に任せてください。今夜、彼に、もしだめなら彼の息子に、アポをとってみましょう。」といって、彼のロレックスの腕時計を見た。
「8時だと思っていてください。食事はおごりです、全て上手くいきますよ」


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