“The Pilot’s Wife” by Anita Shreve (52)

“The Pilot’s Wife” by Anita Shreve (52)
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 キャサリンはロバートの前に座って、今も自分はあんな風に感じるのだろうか知らと思った。― ジャックがもう一度ドアから入ってくるのを待っている、宙ぶらりんの時間。

 「彼はどれくらいの頻度で通勤していましたか?」と、ロバートは聞いた。
「ここから? 月6回くらいよ。」
 
 「それほど悪くないね、50分でしたっけ?」
「そうよ。あなたは事務所にスーツケースを持っているの?」と彼女は聞いた。
「荷造りしてあるの?」
彼は躊躇した。
「小さなスーツケースを持ってはいますが、」と、彼は言った。
「今夜は宿屋(タイズ・イン)に泊まるつもり?」
「はい、でも、あなたが良ければここでソファーで眠れます。」
「ええ、私は大丈夫よ。
ジュリアとマティーがいるもの。
もっとお話を聞かせてください、」と、彼女は言った。

 「どういう意味ですか?」
彼女は最後の皿を食洗器に入れ、ふたを閉めた。
彼女はタオルで手を拭いて、タオルを引き出しの取っ手に掛けた。

 「あなたが家に帰るときのことよ。」
彼は自分の首の後ろを搔いた。
彼は背は高くなかったが、座っている時でさえ高いような印象を与えていた。
彼女は彼をランナーとして想像していた。

 「キャサリン、これは・・・」
「どうぞ話してください。」
「いや。」
「助けになりますから。」
「助けにはなりませんよ。」
「どうしてそれがわかるんですか?」と、彼女は厳しく言った。
「私たちはみんな同じ主婦なんですか? みんな同じ反応をするのですか?」

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