“Writing Box” by Milorad Pavic (57)
“Writing Box” by Milorad Pavic (57)
https://jp1lib.org/book/16698678/7e0b66
私は数日旅をしてある夜パリに着いた。
そこで私はかつてのユーゴスラビアのセルビア人が、私がその前に負けたのと同様の戦争に負けたことを知った。
私はもう一度あなたに電話をし、運よくか不運にもか、あなたはあなたが覚えている通り、ついに電話に出た。
しかしそれは全て無駄だった。
あなたは逢いたがらなかった。
最初に一言だけ「絶対ダメ、」というようなことを言った。
そしてあなたは私に、覚えているでしょう、あなたの電話のテープにそんなボスニアから、イタリアから、プロビンスからの話を吹き込まないで、と頼んだ。
それは単に私が「いかに早く簡単にセルビア語を忘れるか」の短期講座をなんとか終えられなかったためだった。
私はその講座を続けることに決め、それを成功裏に完全に終えた時だけあなたに電話をかけることを自分自身に約束した。
私が第7課をマスターした時にだ。
その後、私はレピュブリック広場に行き「シェ・ドゥ・マリス」店で暗赤色の毛糸の球を買った。
私は、あなたが万一私を探したいと思った場合に備え、中に電話番号を書いたメモ包んだ。
私はそれをあなたのアパートの窓から、手榴弾を敵の塹壕に投げ込むように投げ込んだ。
私は、まるで星々の歩みが地球上でも聞くことができた、ノアの箱舟以前の時代から来たかのように、疲れ年をとった。
「魂の中には空間が無く、心の中には時間がない・・・」
私はあなたがその森が移動することは知らないと思いますか?
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金貨(ダカット)とリングの保管場所