“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (103)
“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (103)
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12月30日
孤児院への道は長く険しいものだった。
パーシャが頼んだ長距離バスは困難な道を、ソビエト時代に道に敷かれたアスファルトの悪路の穴を避け順調に進んでいた。
彼らはチェルノブイリに向けて進んでいたが、立ち入り禁止の15㎦手前で左折した。
運転手は「なんて路なんだ!戦車でも30㎦で行けないよ、泥だらけの砲塔を振り落としちゃうよ」と、頭を横に振りながら制限時速30kmの道路標識を見ながら言った。
カリノブカの一番通りの村に来て、「ポスト」の看板を掲げた小屋が有ったので、止まって、ヴィクトルが入って行って孤児院への道を聞いた。
レーニン通りをつきあたりまで行くと、左に有るよ、2階建てのビルだ。」と被り物をした女性が、年金官報を見ながら答えた。
新しく植えられた庭の中の赤レンガの孤児院は、ここ20年でただ一つだけ建てられた建物の様だった。
正面玄関のドアの前は四角い敷石が敷いてある雪の無い場所があり、木のベンチで仕切られていて、雪の無い小道が続いていた。
「私たちを見つけてくれたのね!」と幸せそうに言いながら、ガリーナ・ミハイロフナは彼らに会うために出てきた。子供達があなた方が着いたって言ったんです、子供たちはあなた方を待っていたんです。」
ヴィクトルは彼らを見た。
6歳から13,4歳のたくさんの子供達がバスを見るために走り出してきた。
必要なのは20人なのに、少なくとも30人はいる。
「あなたは私たちを連れて帰ってくれるんでしょ?」ガリーナ・ミハイロフナは聞いた。
「お昼ご飯を食べる人は誰もいないので料理人を家に帰しました、彼女は夕食のために何か持って戻ってくるでしょう、彼女は馬と荷車を持っていますから。」
「勿論ですとも」と、ヴィクトルは、パーシャに携帯で電話しながら言った。
「20人じゃなくて42人です。全員連れ帰ります。」
「プレゼントは20人分しか用意してないぞ。」
「もっと買っておいてください。アンドレイ・パブロビッチが払いますから。」
「ほんとに?彼が、もし払わなかったらお前が払うのか?」
「そうします。」