“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (100)
“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (100)
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ヴィクトルとパーシャはスナック菓子とコーヒーを求めてレストランに入っていった。
パーシャはムリン側に身を潜めて、状況を見て、もし彼らがミーシャを渡さないで金だけを奪った場合、踏み込もうと提案した。
「だから、心配するな」と言って、彼のサイレンサー付きのオートマチック見せたので、ヴィクトルは安心した。
八時に、ヴィクトルは水路の向こう側に立っていた。
後ろは真っ暗で、前には奇妙な一本の街灯、遠くの方に地下鉄のプラットホームの光、電車の音があった。
それらは冬の夜のハイドロパークの生活感の無さに無関心な、生活者たちの姿だった。
ヘッドライトが二度点灯し、彼はもう一度札束がちゃんとあるかを確かめて、橋の中央に向かって歩いて行った。
車のドアがバタンと閉まり、二人のシープスキンのジャケットを着た男が襟を立てて進み出きた。
スキー帽の下の顔は、スカーフで隠していた。
「金は?」と一人が言った。
「僕のペンギンはどこですか?」
「車の中だ」
ヴィクトルはドルの札束を渡した。
「良し、」と言って、チェチェン人は金を数えながら、付け加えた。
「お前自身のために数千ドルどうだい?誰かさんの石油やガス代として」
「僕にはそんな友人はいませんよ。」
「友達じゃなくてもいいんだよ」
「すみませんねえ」
「勝手にしろ」
二人は車の方に歩いて行った。
ドアが閉まり、エンジンがスタートし、ヘッドライトが点き、車がバックすると、雪の中に小さな姿が立っていた。
「ミーシャ!」彼は叫んで、走り寄るっと、ペンギンは老人の歩みの様な摺り足で彼の方に歩いてきた。
しゃがみ込んでペンギンを抱き、ヴィクトルは泣き、ミーシャの黒いボタンのような目に温かく迎えられた。