The Best American Short Stories 2022

“A Ravishing Sun" by Leslie Blanco (1)   ニュー・レターズより

光、それが私が覚えている事だ。  喜び。
フェンスに沿って生い茂るスイカズラ、小さな真珠の縫い込んであるドレス、ブドウ畑、赤ん坊の肌のように新鮮なザビエルと私。
ロングアイランドの結婚式だ。
私たちはとても輝いていたので花嫁の祖母は私たちはその場で結婚するべきだと言った。

 そして次の朝、曲がりくねった道に:見通しの悪いカーブからバイクが現れた。

 私の中では、肌に沿って這えた羽根の様に容易にわたるほどに、変化していた。
認識の、レンズに映った変化。
そして一瞬の知覚―永遠に同じ物はないだろうという、一生続く近く知覚。 

 正面から。

 そのバイクはその前のフェンダーを叩き、それ以上でもなく、その後それ自身を空中に、まるで一匹のサソリがガラスの中に閉じ込められているように、浮遊した。
あの明るいネオンの球は、まるで盗んだ車で走り立ちたように、スタントのように飛び上がる。
ストーン、ロケットのように跳ね、特撮の様に。
私は理解したくない。
ライダーはマシンから離される。
ミサイルは、人は、私たちの方に飛んでくる。
屋根が壊れる。

フロントガラスが爆発する。

 スローモーションの部分なのか?
 しみ出してくるような感覚。

 くるくると回る回転。

 シャワーの様に降り注ぐガラスの破片。

 私の心は静寂になる。

静寂の海が心に満ちる。
それは平和に満ちている。
そう言う事がバカげているとは分かっている。
しかしそれは平和なのだ。
呼吸。
私の息。

 私のマミキュアを塗った足のつま先にはガラスの破片があった。
私が目を上げると、ザビエルの目には血が溜まっていた。
ザビエルの顔の下にも血が細流となって流れていた。

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