“Later Than You Think“ by Fritz Leiber (6)
“Later Than You Think“ by Fritz Leiber (6)
https://www.gutenberg.org/files/50753/50753-h/50753-h.htm
彼は小さな金属の小冊子を探検家に投げてよこした。
それは妙にゆっくりとした動作で空中を飛んだ。
探検家は小冊子をちょっと見た後、横に置いて、「そのことが、僕が最初から変だと思った事なんだよ、」と言って、考古学者の顔を見た。
「もし、これらの生物がかなり進化したものだったら、なぜ我々は最初から彼らに学ばなかったのだろうか?
彼らはたくさんの物、建築物、機械、土木工事、そのいくつかは大規模なはずだが、を残したに違いない。
いたるところで我々は痕跡を掘り返しているはずなのに。」
「僕はそれには4つの答えを持っている。」と考古学者は答えた。
「第一の答えは最もはっきりしたものだ。
時間だよ。地質年代。
二番目はもっと繊細だ。
もしわれわれが間違った場所を探査しているとしたらどうでしょう。
つまり、その生物たちが我々とは全く異なった地球の部分の占有していたなら?
第三には、それは可能性があることだが、原子力が、制御不能に陥って、その種を絶滅させ、その痕跡も破壊してしまった、ということです。
現在の地球表面上に存在する放射性物質の分布はこの説を支持している。」
「第4の答えは」、と彼は続けた。
「これは僕の信念なんだが、知的生物が退化し始めるときには、苦労して作り上げたすべての物を破壊し、むしろその価値を落とす傾向がある。
大きなビルは崩れ落ち小さなビルになる。
機械は壊され、原始的な道具や武器に作り直される。
一種の解きほぐし、消去がある。
文化における熱力学の第2法則が働き始め、それにより知性とその作品は徐々に意味と創造性の最低レベルの物に劣化してしまう。」
「しかし何故?」と、探検家は苦しげに言った。
「なぜすべての知的な種がそのように終わるのか?
最大の予防処置を講じていても、原子力が制御不能になる可能性は認めるよ。
それでも、それは起こりうる。
しかし、第4の答えは病的なものだ。」