“Girl With a Pearl Earring” by Tracy Chevalier (45)
“Girl With a Pearl Earring” by Tracy Chevalier (45)
「今日はだめだ、薬屋に行くんだ。」
「絵の材料を買いに行くの、パパ?」と、コーネリアが彼の手を掴んだまま聞いた。
「それ以外も色々ね。」
ヨハネスが泣き始め、彼が私を見た。
私は気まずい思いで赤ん坊をあやした。
彼は何か言いたそうに見たが、無言で女の子たちを振り払いランゲンダイク通りを下って行った。
野菜の色と形について話し合った時以来、彼は私に一言も口をきいていなかった。
私は日曜日にとても早く目が覚めた、というのは家に帰れることに興奮していたからだ。
私はカタリーナが前のドアのかぎを開けるのを待たなければならなかったが、私がドアが開く音を聞いて外に出てみるとマリア・シンズがカギを持って立っていた。
「今日は私の娘は疲れているの、」と、私を外に出すため横によって言った。
「彼女は数日休むでしょう。あなた、彼女がいなくてもやっていけるかしら?」
「勿論です、奥様、」と私は言い、「私は質問があればいつでもあなたに聞けますから。」と、付け加えた。
マリア・シンズはクスリと笑った。
「ずるい女の子ね、あなたは。
自分が誰の鍋からスプーンで食べ物を食べさせてもらっているのは分かっているのね。
大丈夫よ、ここら辺にいるちょっと賢い人とはうまく付き合っていけているから。」
彼女は私に何枚かの硬貨を手渡した、私が数日間働いたお給金だ。
「さあ行きなさい、どうせ、あなたのお母さんに私たちの事を全て言うんでしょう。」
私は彼女がもっと話す前に、すり抜けて、市場通りを横切って、新教会の早朝礼拝に向かう人々の所を通り抜け、急いで家へと続く通りと運河を登って行った。
私のいる通りから振り返り、一週間も経っていないのにそれが何と違うように感じられることかと考えた。