見出し画像

ごめんなさい、プルースト、でも眠いんです。 ー『失われた時を求めて』と堀辰雄 ー

こんにちは。

子供の頃は何時間でも眠れたのに、大人になったら寝つきが悪くなってきた、というのはよく聞く話です。


眠れない人は、プルーストにはホントに申し訳ないんですが、プルーストの『失われた時を求めて』を読むといいです。

なぜかというと読むと眠くなるからです…。

この本は、色々な出版社から出ていて、私は光文社版を読んでますが、読むと本当にすごく眠くなるんです。訳者のかた、スイマセン…。

別に訳がイヤだとかそういうわけではなく、内容もすごく面白いんですけど、とにかく、一個一個の場面とか変な風習の説明とかが長くて眠くなるんです。


※光文社古典新訳文庫シリーズ…文字が大きめで読みやすい。大きめの文字が好きだという人にオススメのシリーズ。


光文社のは全13巻あるので、読み始めたとき、1ヶ月に1冊読めば1年くらいで読み終える、と思っていました。
でも読んでいたら、あまりにも読むのに時間がかかるのがわかって
「1年に1冊読めば、10年くらいで全部読めるだろう」
と考えを変えました。

読み始めたのは5年くらい前なのにまだ3巻の途中です…。

何年かかるんでしょうかね。

作家の堀辰雄はこの作品をメモにとったり線をひいたりして、大事に大事に、全くもってじっくり読んでいたら、全部読む前に死んでしまった、
と堀辰雄の本のあとがきに書いてあったので
「…いくらなんでも死ぬ前には全巻読みたい」
と私は思っています。


※堀辰雄…『風立ちぬ』を書いた作家。


※プルースト効果というのがあって、それは『失われた時を求めて』の主人公がマドレーヌを食べて記憶がよみがえる、というエピソードから作られた心理学用語なんですが、私はそのシーンを心待ちに読んでいました。
何巻ぐらいで出てくるんだろうな、まだまだだろうな、とか思いながら。
そしたら、1巻の最初のほうであっけなく出てきて拍子抜けしました。

まあ、お前の拍子抜けなんか知らねえよ、とプルーストも言うかもしれませんけど。


※余談ですけどプルーストとプルートとプルートーは字面が似てますね。

プルースト = フランスの作家

プルート = ディズニーの犬

プルートー = ギリシャ神話で地獄をつかさどる神。プルトニウムの語源にもなっている。


では、機会があれば読んでみて下さい。
お盆休みにちょっと読むというのもいいですね。

いいなと思ったら応援しよう!