衆議院の選挙予測は自公181議席で野党との連立政権が必要

衆議院の選挙予測は自公181議席で野党との連立政権が必要 
                      
    2024年 10月 23日        
                         社会資本研究所          
                           南  洋史郎      
                 
当研究所の選挙予測では自公181議席と過半数を大きく割り込む結果となった
                 
 当研究所は、北海道から九州までの全国11地域ブロック毎の小選挙区と比例区にわけた各区全ての立候補者毎の勝敗を独自の視点で予測集計をおこなった。 その集計された数字の詳細な結果は、図表にまとめたので参照頂ければと思うが、簡単に要約すると次の通りである。 
 
(1)自民党は165議席で93議席減、公明党は16議席で16議席減となり、石破政権の衆議院解散で自公181議席の予測となる。 過半数の233議席には52議席不足するので、この予測通りとなれば、保守中道の他の野党と連立を組まざるを得ない状況となる。   
 
(2)自民党の連立パートナーとして考えられる保守中道の国民民主党は24議席増の31議席、日本維新の会は20議席増の64議席となる。 自民党を非公認となった議員や保守寄りの議員の多い無所属の当選者が16議席となっている。 無所属の議員の16議席を全て加えても、47議席のため国民民主党だけでは過半数はとどかない。 日本維新の会なら過半数は届くが、わずか12議席しか猶予が無い。  
 
(3)新興保守政党の参政党が25議席、日本保守党が12議席を確保できる予想となっている。 日本維新の会との連立が難しくても、国民民主党と参政党、さらに日本保守党と連立を組むことができれば、過半数を維持することは可能となる。    
   
選挙予測の前提条件に影響を与えた従来とは異なる3つの有権者の大きな意識変化  
 
 なお、予測のための仮説シナリオは、独自の前提条件で465か所の選挙人名簿から勝敗を判定、各勝敗結果と候補者、政党名、接戦が見込まれる候補者名まで詳細に分析した。 その結果は有料(5百円)になって恐縮だが、末尾記載のノート記事のサイトへアクセス、閲覧いただければ、議席獲得が予測される465人の氏名全てが記載されたエクセル原データや追加の分析記事を掲載したので、残りわずかな選挙戦略の立案や選挙報道のデータソースとしてご活用いただければ幸いである。 
 
 さて、今回の選挙予測において、従来と大きく異なる有権者の意識変化は次の3つにまとめることができると考える。 
 
〔変化1〕
従来の有権者は、立候補者の経歴をネットで検索、学歴や経験、政治キャリアをみて、この人なら難しい政策を理解し、霞が関、永田町の高学歴な官僚を動かし、豊富な政治経験から我々国民のために動いて、一所懸命に政治を頑張ってくれると期待して投票先を決めてきた。 その面では自民党は高学歴で政治経験が豊富な人材の宝庫に見えるが、岸田政権の3年間、さらに今回の総裁選で誕生した石破政権の自民党をみると高学歴、華麗な政治経験が政治家を選ぶ判断材料として意味がないと自覚するようになってきた。 候補者を選ぶときは何より自分たち有権者を裏切らず誠実に政治に取り組めそうな政党を選択する傾向が以前より強まっている。 そうなると新興の参政党や日本保守党のような政党でも、党首や党が訴える内容が良ければ、各候補者は頼りなくても、その政党や候補への投票に抵抗が少なくなってきている。 逆に言えば、既存政党、特に与党で信頼を失い続ける政治をおこなえば、票が大きく動く傾向が以前よりさらに顕著になってきている。      
 
〔変化2〕
様々な政策に対する各候補の意見がネットで簡単に検索できるようになって、投票前にそうした質問回答を閲覧して投票する有権者も増えている。 その回答の仕方やコメントで候補者の性格や能力まで推し量ろうとする有権者もいて、候補者の知名度が無い場合は、ネットに掲載する候補者の意見やコメントが非常に重要となっている。 逆に言えば、無名な候補者の場合、ネットで自分が何者かをアピールできない場合、そうした感性すらない候
補として泡沫(ほうまつ)扱いとなる傾向が強まっている。     
 
〔変化3〕
ネットの有名動画でいろいろな意見や生活紹介など有権者へ露出が高い候補者の場合、有権者へのアピール力も高まるが、一方で誹謗中傷などのアンチコメントも増え、さらに評論家などからもバッシングを受けるケースも増えている。 今回、総裁選の決選投票で高市候補を推薦、選択した自民党議員のリストがネット上で公開され、逆に石破首相を推薦、選択した議員名も公表されている。 保守岩盤層の有権者が、こうしたリストから投票行動を
決めることも考えられるので、ネット情報への対応が以前よりさらに重要となっている。 今回の集計予測でも、高市候補への投票リストや石破総裁の推薦リストを取得、その情報も加味した分析をおこなった。
 
以上の変化予測を踏まえ、詳細な集計分析内容と追加記事については、ノートの次のアドレスへアクセスいただければ幸いである。     以 上 

 


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