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ウォームアップ①スケート靴を履く前に

 南半球は、もうそこまで春がきているな~という感じになってきた。今朝は、朝7時の時点でもう20度超え。私は寒いのが苦手なので、本当に嬉しい。亜熱帯の冬でも、私にとっては十分辛い。

 寒い時は特に、筋肉が縮まってしまい、怪我をしやすい。いつも以上にウォームアップをしっかりやっておく必要があると思う。もちろん夏でも、やはり筋肉をほぐしておくウォームアップは欠かせない。

 うちのクラブでも、初心者コースの生徒以外は、みんな必ず各自でウォームアップをしてから始めている。


ウォームアップには、2種類ある。

 (1)スケート靴を履く前にするウォームアップの運動

 (2)スケート靴を履いてからするウォームアップの滑り

どちらも毎回必ずこなしたい、大切なウォームアップだ。


■(1)スケート靴を履く前にするウォームアップのやり方

 まずは、スケート靴を履く前に運動靴でウォームアップする。筋肉を温め、すじを伸ばしておくことが大切だ。

 注意したいのは、柔軟体操のような動きは体が十分に温まってからすること。ストレッチがしたければ、必ず運動後にする。

 ウォームアップに必要なのは、柔軟強化や筋肉強化のための「トレーニング」ではなく、あくまでも怪我を防ぐために体を温めてほぐす「準備運動」だ。ウォームアップですじを痛めたら元も子もない。

↑ Off-Ice Warmup Routine for Figure Skaters by Coach Mary Figure Skating

 アイススケートのコーチメアリーの動画から。これの最初の方に出てくるものが、最も一般的なウォームアップだと思う。うちのクラブでもこれに似たようなウォームアップをしている人が多い。特に1~3は必須。うちのコーチは、4でジグザグ飛びではなく1,2,ジャンプをさせたりする(詳細は下の私のウォームアップ参照)。この動画での注意点は、体の硬い人は、柔軟性が要求される動きは無理しないこと。柔軟を強化したいなら、十分に体が温まりほぐれているスケート後にする。

1.走る

2.横ホップ

3.グレープバイン(足を前後に交差させる横走り)

4. ジグザグ・ホップ

5.体をねじった前屈。反対側の足を触る

6.飛んで空中で足をつける

7.歩きながら足を上げる(トイ・ソルジャー)

8.サイドランジ

9.スパイダーマン・ランジと腕のツイスト

10.前屈&スパイラル


 毎回ここまでしっかりウォームアップすれば一番良いのだろうが、私はもうちょっと短くすましている。


■自分のウォームアップ・ルーティンを作ろう

 自分なりのウォームアップのルーティン、というものがあるだろうか。もしなければ、いろいろなスケーターの動画の動きなどを参考にしながら、いつも必ず行う自分のルーティンを作った方が良い。すでに自分なりのウォームアップ方法がある人も、たまに他の人のやり方を参考にしながら自分の方法を見直すと良いと思う。

 ちなみに私のやり方はこんな感じ。もう若くないから、足首を回す、アキレス腱を伸ばす、を必ず最初にやって怪我を防ぐようにしている。年齢を重ねてくると、いきなり走り出すだけでもどこかを痛めてしまう可能性がある。

<私のウォームアップ>

1.足首をよく回す ←怪我予防に大事

2.アキレス腱を伸ばす ←怪我予防に大事

3.屈伸&膝を回す ←怪我予防に大事

4.走る

5.横ホップ

6.グレープバイン(足を前後に交差させる横走り)

7.1,2,ジャンプ(左、右、右膝を上げながら、両腕をアクセルジャンプのように下から上に振り上げて、左足で高く飛び着地→右、左、右→左、右、左で繰り返し)

8.腕と肩を回す

9.腕を横に伸ばして上体をひねる


 最後の2つの動きは、コーチメアリーの5の「体をねじった前屈。反対側の足を触る」を入れると前屈も入って良さそう。今度から最後にそれを入れてみようかな。

 私はあまりジャンプを真剣にやっていくつもりがないので、7の代わりに膝上げスキップでごまかしてしまうことが多いが(笑)、そんなことではいつまでたっても飛べない悪循環で、反省中。ジャンプを飛びたい人は、ここで飛ぶエクササイズをもっと入れても良いと思う。しゃがんでから飛び上がる運動もいい。


■その他のウォームアップ動画

 その他にもいくつかの動画を紹介するので、良い動きがあればぜひ取り入れてみて欲しい。


↑ 10 Minute Off Ice Warm Up | Figure Skating by THINICE

 イギリスのTHINICEの動画。これは大切な動きが全部入っていて、かなりおススメの内容だ。最初に紹介したメアリーの動画では基本の走り方がよく分かるのであちらを先に紹介したが、全体的な内容はこちらの方が良い。この動画の通りにそっくり真似してウォームアップしておけば、まず間違いないと思う。狭い場所でもできるエクササイズだけになってるのも良い。1つ1つは30秒ずつ、15秒ずつと短いのも、滑る前にパッとできていい。全部でちょうど10分のルーティンになっている。

1.ジョギング(その場で)

2.膝上げジョギング

3.踵上げジョギング

4.スキップ

5.腕を回す

6.上半身をひねる

7.上半身を回す

8.腰を回す

9.膝上げ&開く

10.膝を8の字に回す

11.膝を回す

12.足首を回す

13.スパイラルキック

14.アップ、ダウン、スルー

15.反対側のつま先タッチ

16.手を床について前後に歩かせる


↑ フィギュアスケーターのためのウォームアップ&クールダウンのガイドライン!大会前後に何をしていいのかわからない選手は是非参考に。 by 
プラストレーナーズ

 理学療法士さんによる日本語の良い動画があった。具体的な動き方の説明はないが、理論がとても分かりやすい。クールダウンにも触れている。


↑ Pre-Skating Warm Up Exercises - Tutorial 46 by That Nicole Fiore

 こちらは、元アーティスティック選手のローラースケーター、ニコール・フィオーリの動画から。彼女が必ず滑る前にやるというルーティーンがこちら。特に試合前はナーバスになりやすいから、いつもと同じ生活、同じルーティーンをすることが大切、とのこと。ニコールがやっている縄跳びも、スケーターにはとても良いエクササイズだ。

1.両足縄跳び100回(50回ずつ2回)

2.片足交互で縄跳び50回

3.ジャンプしてスクワット

4.ストレッチ

5.滑るプログラムがあれば、それをスケート靴なしでおさらい


↑ Warm Up Exercises for Roller Skating by Moxi Roller Skates

 Moxiのローラースケートを作ったエストロ・ジェンによるウォームアップ動画。ローラースケートでは、膝がショックを吸収するため、膝が重要まずは膝をよく回しておく、とのこと。なるほど。そして太ももの筋肉、お尻の筋肉もよく使う大切な場所。ここを温める。ただしスクワット、ジャンプスクワットなどをやっているのだが、バレエをやっている人にとっては、このお尻を突き出すスクワット系は抵抗があるな……。メリットもわかるけど。お尻を突き出す癖がついたら、滑る時もパワーが出せなくなると思うんだけどなぁ。その後は寝転がってハムストリングスをほぐしておくエクササイズを紹介している。


↑ Quick Off-Ice Warm Up for Figure Skaters by Coach Julia

 ローラーからアイスに転向したコーチ・ジュリアによる5分でできるウォームアップ。股関節を開いておく動きや、体幹を使って重心をとりながら太ももを伸ばす動き、ひねるランジ、スパイラルが入っているのがいい。ただし股関節を開く動きは、股関節を傷めないように要注意。この順番ではなく、体が十分に温まってからにした方が良い。



■おまけ:有名選手(アイス)のウォームアップ動画

 まずは羽生結弦選手から。

↑ ウォームアップエリアのゆづくん お辞儀して出て行くところまで 2019.12.22 羽生結弦 by あきみゆり

↑ 피겨스케이트티비 하뉴만 by everyday jud

 こちらも羽生結弦選手。最後に「板」って言われてるのは、これスピナーだな。

 そして、浅田真央選手。

↑ 練習シーン⑥【準備体操編】(浅田真央応援プロジェクト)by 住友生命 公式チャンネル

 そういえばリンクサイドで自分の出番前に首回してるスケーターさん、よく見るな。確かに首も大事。


 滑る前には、必ず十分なウォームアップが必要。そのためには、いつも予定されている練習時間よりもちょっと早めに到着しておくことも大切だ。

 怪我を防いで、おじいちゃんおばあちゃんになっても、ずっーと滑り続けていられますように。

 

  その②へ続く↓ 



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