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世界最大の小売業創業者『サム・ウォルトン』の成功する経営手法とは?(読書メモ)

徹底した経営姿勢

なぜ、徹底した経営態度をこの企業は取り得ているのだろうか。

彼らの答えは、「経営方法は客のためにドンドン変わり続けています。しかしその変わり続けていることこそ、以前とまったく変わらない経営姿勢だといえるでしょう」。

その根底にある考え方は、①すべての努力は客のためであって、企業のためではない。②失敗を恐れず、改善と改革とに挑戦し続ける、という二つの確固たる念である。

売上高の0.01%単位で削り続ける同社のコスト削減対策や、いかなる地域でもつねにプライス・リーダー(低価格主導権者)であり続けるESLP (everyday same low price)軌道、品目別・重点おつとめ品販売計画に基づく店内エキサイトメント喚起作戦なども、この企業ではいつも行われていて例外がない。

いずれもチェーンストアとしては当然の経営原則ながら、その維持対策に多店化経営の各社は疲れ果ててしまうのである。ところが同社では、必ず確実に実行され、そして継続されている。

ここにサム・ウォルトンがウォルマート社で築き上げてきた企業文化(corporate culture)がある。世界一になり得た本当の秘密があるのだ。

『小さく考える』ことが重要

肝心なのは、ウォルマートが大きくなればなるほど、「小さく考える」ことがますます重要になる、という点だ。というのも、わが社は小さく考えることで、これほどの大規模になったからである。私たちは田舎町の商人であり、現在の業績を胸を張って誇れるのも、店長や時間給で働く店員が、勤勉とよい応対マナー、それに物流センターのスタッフとのチームワークによって、1店1店で日々努力してきたからである。

私たちの行動原則は深遠なものではない。どれも常識的なことであり、私が長年読んできた経営学の本や雑誌記事に出てきたことだ。だが、それらをウォルマートに応用したやり方は、いささか独特なのではないかと思う。「小さく考える」うえで、わが社でとくに重要だった6つの方法を述べることにする。

①一店ごとに検討する
②意思疎通こそ組織の生命
③現場でしかわからない
④現場に責任と権限をもたせる
⑤現場から改善案を出させる
⑥組織をスリムにし、官僚化と闘う

サム流「成功のための10カ条」

法則① あなたの事業に夢中になりなさい
法則② 利益をすべての従業員と分かち合いなさい
法則③ パートナーたちの意欲を引き出しなさい
法則④ できる限りパートナーたちと情報を共有しなさい
法則⑤ 誰かが会社のためになることをしたら、惜しみなく賞賛しなさい
法則⑥ 成功を祝い、失敗のなかにユーモアを見つけなさい
法則⑦ すべての従業員の意見に耳を傾けなさい
法則⑧ お客の期待を超えなさい
法則⑨ 競争相手より経費を抑えなさい
法則⑩ 逆流に向かって進みなさい

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