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10代の行動はなぜこんなに不安定なのか?
体操女子日本代表の宮田笙子選手の飲酒・喫煙がニュースになり、為末大さんがFacebookでコメントしたことが話題になっています。
そこで、投稿の中に出てくる『10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか』という本を読んでみました。著者のフランシス・ジェンセン博士は、ペンシルベニア大学メディカルスクールの教授で、神経科学の専門家です。ジェンセン博士の研究によると、10代の行動には科学的な理由があるのです。
為末大さんの投稿内容
長文ファンの皆様、今回はいつにもまして長文です。
体操選手が飲酒喫煙が発覚し、五輪を辞退することになっています。自らの辞任なのか、要請され辞任の形を取ったのかどちらかわかりませんが、選手の心境を考えるととても辛いと思います。どうか、協会としても出場できる道を探って欲しいです。
私は三つの観点から、これを機に、十代の子供たちが問題を起こした時に、叱りながら、愛を持って支える社会を作っていくべきだと思っています。
<中略>
二つ目は、十代の脳は大人とは違うという点です。
フランシスジェンセンによって書かれた「10代の脳」という本があります。10代は馬鹿げたことをします。それは、感情を司る大脳辺縁系の急速な発達に、判断と制御を司る皮質の発達が追いつかず、そのアンバランスさが特有の問題行動を引き起こしているからです。
この本を読めば10代がいかに大人と違い危うげか、リスクを好み、適切な判断ができないか。情緒不安定か。がよくわかります。全てがアンバランスさのせいだとは言いませんが、明らかに特性があります。大人のミニチュアが十代ではありません。
言い換えれば十代は失敗をし、学ぶ世代です。何度も失敗するのであれば、問題かもしれませんが、たった一度の失敗で、学校を辞めさせられたり、夢を諦めたり、試合に出られなくしてもいいのでしょうか。私は学ぶ機会にできるように大人が促すべきだと思っています。
10代の脳は未完成
まず、10代の脳はまだ発展途上です。特に、前頭葉と呼ばれる部分がまだ完全には成熟していません。この前頭葉は、行動の計画、決定、判断、衝動のコントロールを担当しています。つまり、10代の脳は全体の80%しか完成しておらず、20%はまだ発展途上ということです。これが、10代の子どもたちが時々衝動的に行動し、大人に反抗したりする理由です。
反抗期と感情の起伏
10代は感情の起伏が激しい時期でもあります。これは脳の大脳辺縁系、特に扁桃体という部分が未成熟であることが原因です。この扁桃体は感情的な行動を司っており、特に怒りや興奮に敏感です。10代の子どもたちが大人からの否定に過剰に反応したり、キレやすくなったりするのも、この扁桃体の影響です。
誘惑に弱い10代
また、10代はドラッグやアルコールといった誘惑に対しても弱いです。これは、まだ完全に発達していない脳が原因です。前頭葉と他の脳の部分が十分につながっていないため、誘惑に対する抵抗力が低くなります。
まとめ
10代の子どもたちが不安定で、時に理解しがたい行動をとる理由は、脳がまだ発展途上にあるためです。彼らの脳はまだ完全には成熟しておらず、感情のコントロールや判断力も発達途上です。このことを理解することで、親や教育者はより適切な対応ができるようになります。
10代は特別な時期であり、脳の発展とともに多くの変化が訪れます。彼らが経験することすべてが、大人になるための一歩であることを理解し、サポートすることが大切です。
おまけ
本書では、10代による飲酒や喫煙、ドラッグなどの危険性についても詳しく説明されています。
為末さんの投稿ではあまり取り上げられなかったですが、もし興味がある人は本書を実際に読んでみてください。