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無責任な言葉と私とあなた

命をかけて世界を変えようとしている人の何が素晴らしいのだろうか。軽々しくそんなことを言う人がいるから死ぬ人が後を絶たない。私は誰も殺したくないし、そうとも気づかずに今日も言葉で誰かを殺している人、殺人事件のニュースを見て「こんなことをした奴は死刑だ」と叫ぶ全員を私は嫌いになる。私は言葉の冷酷さを知っている。目の前の出来事を不気味なほど美化して綺麗に片付けることができる言葉。矛盾や違和感だらけの日常を生きているからこそ、その屈託のない清々しさ、後味の良さに怖くなる。だから私はあなたを素晴らしいだのと言いたくない。それ以上にそんなことのために死ぬべきではないと伝えたい。そんな誑かされた勇気と勢いで行動すべきではない。あなたの誠実さをこんなタイミングで目の当たりにしたくはなかった。あなたがしていることはあなたの誠実さに対する侮辱だ。取り扱いを間違えればどんなことも一瞬でなかったことになる。命は軽いのだ。人は多すぎるし、世界広すぎる。だからこそ、死ぬ気で世界のためなんかに自らの命をかけるべきではないのだ。世界のためにあなたが死んでも私は報われない。私はただ、あなたのことを知らないまま、私のためにあなたに生きていてほしかった。

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