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信じたものに救われたいよねという話 パニック障害日記④

※パニック障害についての記事です。苦手な方は注意してください。
※パニック障害の治療についての感想が書いてあります。その治療を推奨・否定する意図も他の治療を推奨・否定する意図もありません。



綺麗な心療内科クリニックではなくthe精神科病院にて5時間をかけ初診を終了した私。
病院の雰囲気も先生の雰囲気も暗く冷たいものだったが、結果的にはここでよかったと思えて一安心!
診断して頂き今後の治療方針決定。
これから自分で認知行動療法に挑戦していくことに...

↓この続きです。



治療方針は薬は頓服のみ処方され、認知行動療法メインで治療をしていくことになった。

認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)

うつ病などの様々な心の病に対する有効性が医学研究で立証されている心理療法。
近年、様々な心の病に対して、薬物療法だけではなく心理療法(精神療法)の有効性が、信頼すべき医学研究により立証されつつあります。中でも認知行動療法(認知療法)は、うつ病、パニック障害、強迫性障害、統合失調症に対する治療効果が、繰り返し確認されています。
認知行動療法 » うつ病などの様々な心の病に対する有効性が医学研究で立証されている心理療法。 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-044.html 厚生労働省


この記事を書いている現在は頓服を服用する機会はなく、認知行動療法にて治療を続けています。
現在は休職中であり、これから復職など状況が変わると思うので薬物療法についてそろそろ医師に相談しようと考えています。
薬物療法を否定する気持ちは一切ありません。



薬物療法と書いたが、どんな治療も否定する気はない。

はじめの記事にも書いたが、ネットを見ると様々な情報があり体験談もたくさんある。

どれを参考にしてどうするかは自由で、どんな治療であっても治ったという人は治ったのだろうし、みんながやっていることをしても効果が出ないと感じる人はいると思う。



私は病院へ行って、正式に診断されて、医師を信じて、認知行動療法をしたいと思って治療方針を決めた。
ここで私にとって一番大事なのは、自分の意思で決めたという点だ。
どんな決断でも、納得しないまま進んでいくのは難しい。


例えば「このネックレスをつければパニック障害は治りますよ」と言う人が現れて、それを信じて100万円でそのネックレスを買った人がいたとする。
それで本当に症状が良くなれば、その人はハッピーなんじゃないかなと思う。

私がそのネックレスを信じられないように、病院や医師を信じられない人がたくさんいるはずだ。



前置きが長くなってしまいましたが、ここから下が実際に認知行動療法をやってみた感想になります。
表現には気をつけますが、あくまで個人の感想なので、情報を鵜呑みにせず主治医と相談しながら治療してください。



なぜ私が認知行動療法を選んだのかというと、まず他の病気で薬を何種類も飲んでいたのでこれ以上薬を増やしたくなかったというのが一番だ。
そして認知行動療法が、不安障害に対しての治療の代表的なものであるという認識だったからという単純な理由。

あとは、なんとなく自分の症状がどうなっていくのか興味があった。
こんな状態からどんな風になるんだろう〜という好奇心だった。

結果から言うと、約半年間認知行動療法をやってみたら「安心して家の中にもいられない」という状態から「一人で通院や買い物に行けるようになる」という状態になった。

とはいっても全く症状が出ないということではなく、予期不安や動悸などはある状態だ。
しかし発作が起こったとしてもそのまま酷くなるということはなく、その場でおさまる小さな発作になってきている段階だ。


実際にどんなことをやっていたのかというと、厚生労働省のパニック障害に対する認知行動療法マニュアルを見てそれにそって進めただけだ。
参考にした書籍などはない。
興味のある方は、「パニック障害 認知行動療法 厚生労働省」と検索してみてください。


どんなことをするのか、ざっっっっっっくりと言うと
自分の行動や考え方を目に見える形(書き出したり数値化したり)にして、実際それらは正しいのか(極端な考え方になっていないか、歪んでいないか)を検証していく。
他にもさまざまな項目があるが、「行動実験」の項目を例とする。


①実験の状況
→大きなスーパーに一人で食材を買いに行く
②予想
→食材をカゴに詰めている最中に目眩と呼吸困難になり倒れて救急車を呼ばれる(80%)
③実験のやり方
→スーパーへ行ってみる。発作が起きてもうずくまらない。発作はしばらくするとおさまると念じる。買い物は遂行する。
④現実の結果
→めまいや動悸は起こったが発作はおさまり倒れることはなかった。発作が起こったため買いたいもの全ては買えなかった。予想の正しさは20%であった。
⑤実験から学んだこと
→発作が起こったとしても、必ずしもそれが倒れたり救急に繋がることはない。実際にその場所に行ってみると思っていたよりもできた。次は全ての買い物を遂行したい。

こういったことをノートにまとめて診察の時に医師に見せる。
医師はノートを見ながら私に質問をしてくるので答える。そしてアドバイスをもらう。
最後に医師は褒めてくれる(相変わらず無表情で機械的に)。
私は喜ぶ(やった〜)。


こんなことをコツコツちまちまと進めていった。

時にはとても辛いことがある。
発作のことを思い出したり、発作が起こる状況を想像するのは苦痛だ。
夫も子どもも寝た後の薄暗いリビングで、ひとりで心臓をバクバクさせながら、冷や汗をかいて想像する。
私は公衆の面前で発作を起こして、倒れて、息ができなくて、救急車を呼ばれてしまう。
違うんです、大丈夫なんですって言おうとしてもうまくいかない。
みんなに迷惑がかかる。


そうやって想像したことを、今度は実際にやってみなくてはならない。
当たり前のようにやっていたことは、もう私の中ではラスボスだ。レベル3で、初期装備で、ラスボスに挑む気分だ。

でも私は自分を救わなければならない。


まずはひとりで外に出る。
次はスーパーの前にただ立ってみて、その次の日スーパーの中に入ってみる。
スーパーの中をぐるっと回ってみる日。
スーパーよりも小さいお店で一品だけ買う日。
二品、三品と増やしていく。
段々とレベルが上がっていく。

そしてやっとスーパーに買い物に行ける日が来るのだ。



上の方で偉そうに「私はこの方法を自分で選んだ。」と書いていたが、自分が納得していたとしても辛いものは辛いし、怖いものは怖い。
無理だと思ったら、また違う選択肢を用意してもらおう。
時間をかけてもお金をかけても自分に合わないものは合わないのだ。


でも自分が信じたものに救われたいよね。

救われると信じて私はうんうん唸りながらコツコツちまちま治療を進めていく。



次回最後です。

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