38歳WEBベンチャーの管理職が、今さらITパスポート取ってみた。
全ての社会人のITリテラシー向上に役立つとされるITパスポート。一応国家資格だけど、合格率の高さと対象者の広さから、あんまり直接的には役に立たないと思っていました。文系の就活生がIT企業を志望する時のやる気アピールにはなるかな?くらいのものだと軽く見ていたのですが、WEB関連会社に勤めて15年の今年になって、今さら取得してみました。
なぜ今「ITパスポート」を受けたのか
新卒でWEB制作会社に入社したので、当時のITパスポートの基準に沿った研修は受けさせてもらっていました。ただ、受験は任意(つまり自費)だったので、受験しませんでした。
転職のシーンでも資格の必要性は感じなかったのですが、最近思わぬ理由でITパスポートに興味を持つようになりました。
1. マネジメントに役立つ最新情報が学べる
「事業」の定義はなんですか?
「業務」の構成要素は何ですか?
そんなところからITパスポートの出題範囲になります。雇用契約の話や企業の経営戦略の話、CSRのこと、または「デジタルディバイド」などの社会問題の話まで、広範囲に渡ります。
管理職でマネジメントをするようになると、自分の業務範囲外のこともカバーしている必要があります。ITパスポートの内容を網羅しておけば、専門分野以外でも大体なんとかなる気がします。
2. 初対面での「話通じる人ですよ」の裏付けになる
新卒1社目はそこそこの規模のWEB制作会社だったので、例えば転職活動のシーンでも社名を出せば「ITやビジネスの基本的なことは分かってる人」として扱ってもらえました。
ただ、その会社が数年前にセカイテキ超つよつよ企業に吸収されてしまい……今の20代には社名を言っても伝わらない状況になりました。
社名のカードが切れなくなった今、「怪しいものではございません」の証明のために、履歴書や自己紹介スライドの資格欄にそっと書いておけると良さそうです。
3.DXやAI活用について、幅広い情報をキャッチできる
今までコンテンツの企画運用や広報・PR代理業をやってきており、今もマーケティング支援会社に勤めています。WEBやアプリの業界はそれなりに知っていますが、他の業界には疎い部分もあります。たとえば、最近製造DX関連の案件に携わる機会があったのですが、「ERP」「EDI」なんて用語も全く知りませんでした。
ITパスポートだと、ITに関わる全分野を包括的に扱うので、幅広い業界のことを知るきっかけになりました。
勉強して良かったこと
実際に受験してみて、あくまでも価値は「勉強すること」と「得た知識を使うこと」にあり、受験してもしなくても、そんなに差はないかな、とは思います。
ただ、私はよく言えば「要領がいい」悪く言えば「超ズボラ」なので、試験がないと本気で勉強しません。そういう意味では、受験してよかったかなーと思います。
実際に勉強して受験してみて、良かったポイントは以下です。
1.世の中の“IT関連の常識”がわかる
2.広い業界のビジネスの解像度が上がる
3.情報システムの全体像がざっくり分かる
一言でいうと、
世代や経験値を超えてITビジネス関連の話をするための共通言語を手に入れるということに価値がある資格かな、という印象でした。
なので、従来通り、就活のタイミングで勉強するのもおすすめですし、私のようにポジションや役割が変わったタイミングでの学び直しにもちょうど良かったです。
社会人歴も15年になる代理店勤務(しかも管理職、知らん案件の急なサポートや知らん謝罪もする…)だと、WEBに慣れていない顧客とのやり取りから、新卒や学生インターンとのやり取りまで、普段コミュニケーションをする相手の年代やITリテラシーの幅がとんでもなく広くなり、誰とでも問題なくコミュニケーションを取るための共通言語の必要性をひしひしと感じる日々です。
そんななかで、資格の勉強をきっかけに「真ん中を知る」というのもなかなか良いものでした。
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