もっと詩を!
本日はオススメの詩集を紹介します。
大崎清夏さんの『踊る自由』(左右社)です。
大崎さんは『指差すことができない』で中原中也賞を受賞されています。
本の中身に言及する前に少しだけ。
店主は詩が好きなので、もっと身近になると良いなと思っています。
でも「読み方・ロジック」みたいなことを気にし始めると、とっつきにくいのでしょうか?
店主は正直、何も気にせずにただ字を追います。
でも小説と違うのは「頭の中で音読」することでしょうか。
家なら実際に声に出してしまうことも。
そうすることで詩のリズム感が掴めます。
更に音読のように噛みしめて読むことで、言葉の意味も捉えやすくなる気がするんです。
小説でこれをやると時間がかかりすぎるので、あまりやりません。
この辺りが店主の読み方ですね。
詩の形式やロジックは気にしていないし、よく分かっていません。
いわゆる定型詩であるとか、散文詩であるとか、口語や文語。
詩によっては難解な言葉が使われている時もありますが、そういう時は先ほどのように「音」優先で一編を読み切ります。
それから再び頭に戻って、言葉の意味を考えながら内容を汲み取っていきます。
大崎さんの詩集に戻ります。
この本、帯にある言葉が購入する決め手でした。
「世界が踊っている」ってとても良い表現ですよね。
店主は日常的に踊らないし、むしろリズム感がないので踊ること自体に苦手意識がありますが。
だからこそ憧れがあるのかもしれません。踊る、という言葉に。
もちろん気持ちだけはしょっちゅう踊っているのですが…。
それから『東京』という一編にある「天使みたいな頭痛が通り過ぎていって、朝が来る。」という文も好きです。
感覚的に、ですが「東京っぽさ」がこの一文に詰まっている気がしました。
頭痛を形容するのに天使という言葉を持ってくるところが、なんとも言えず優しさも鋭利さも持ち合わせた表現だな、と。
と、店主の感想をつらつら書いていますが。
これはあくまでも店主の読み方であって、詩というのはどういう風に受け取っても良いのではないかなぁと思っています。
もちろん作者の意図するところはあるだろうし、思いもあるでしょう。
それを読み取ることもまた、面白さだと思います。
ただ「何が言いたいんだろう」を気にしなくても楽しめるのが詩だよね、とここのところ感じています。
書店で詩集をパラパラと開いて、なんとなく目に留まった言葉にグッと来て買うとか、そんなことが誰にとっても当たり前になったら良いですね。
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