誰をバスに乗せるか
多くのビジネスパーソンが共感した、ビジョナー・カンパニーに書かれている言葉である。
組織の命運を握るのは「バスでどこに向かうか」以上に、「誰をバスに乗せるか」である。
社会の変化が激しい中で、向かうべき場所は決して不変ではない。だからケースに応じて適切な人が適切な席に座り、不適切な人はバスから降りることが必要だ。
今の組織はゼロからつくっており、ほとんどのメンバーの面接を僕が担当した。
組織立ち上げ当初、いや、現在に至っても、向かうべき場所は常に不安定で、やはり「誰をバスに乗せるか」にこだわって採用して良かったと感じている。相変わらず課題はたくさんあるが(組織は生き物だから常に課題は存在するものだと思っている)、僕はこの組織を誇りに思っている。
一方で、当たり前のことだが、バスに乗ったからには一人の乗員としての自覚を持つ必要がある。あくまで僕の考えだが、乗員にはこういうことが必要だ。
(1)個性を維持し、他の人と同質化しないこと
(2)互いにイーブンな関係であること
(3)不適切であればバスから降りること
これは、組織のリーダーである僕も同じだと思っている。
それぞれ、ちょっとだけ解説を。
(1)個性を維持し、他の人と同質化しないこと
多くの人が、良くも悪くも組織に染まる。
「面接の時にあんなにイキイキしてたのに入社して数ヶ月経ったら普通の人になってる」
これまで、そんな人をたくさん見てきた。
一人ひとりの思いや能力を尊重してバスに乗ってもらったのに、それが無くなってしまうのはもったいない。
(2)互いにイーブンな関係であること
それぞれに個性があるということは、それぞれに差があるということだ。
役職の差、年次の差、経験の差、知識の差、能力の差、など様々。
差が出るのは仕方がないこと。でもそれを劣等感として捉えてしまってはダメ。大事なのは、「イーブンな関係」を意識すること。
・プロジェクトで、仕事Aでは先輩に迷惑かけてしまったけど、仕事Bなら自分にできそうだから一人でやり切ろう
・会議や勉強会で、ついていくことに必死でインプットばかりだけど、自分なりの所感や意見をまとめてアウトプットしてみよう
とか、受け身にならないイーブンな関係を心がけるべきだと思う。
(3)不適切であればバスから降りること
合わないやつは組織や会社を辞めろ、みたいなことを言いたいわけではない。それはあくまでも超最終手段なわけで。
不適切と感じるのは、バスが悪いのか、あなたが悪いのか。そういうことを考えて、まずは適切と感じられるように頑張って欲しいなと思う。
必ずしも、リーダーが正しいというわけではない。もしかすると、バスから降りるべきなのはリーダーなのかもしれない。(自戒)
僕はまだまだ、今のメンバーが乗ってるバスで、前に進み続けたい。