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『嫌いなら呼ぶなよ』綿谷りさ 書評#9

不思議なもので真夜中には気が狂いそうになるほど食べたくなるスイーツも、朝目覚めると魔力を失い全然興味なくなる。夜食の欲望はドラキュラのように真夜中しか目を覚まさない。


今回は、綿矢りささんの短編集『嫌いなら呼ぶなよ』を紹介します。

あらすじ

ミニーマウスになりたい会社員の女性、YouTuberにはまって全動画にコメントを書くアルバイター、不倫してもなお自分の美しさに酔う男性、作家とライターのケンカに挟まれる編集者。この4人をそれぞれ主人公とした4篇が収録されています。

見どころ

それぞれの短編に現代を生きる人の悩みや歪みが一人称で語られて、主人公たちの率直な心の声に惹きつけられ続けます。

感じたこと

今の時代のどこか歪んだ人の気持ちを読んでいくにつれて、惹きつけられると同時に共感できる部分があり、自分ももう少しでこうなるかも、とぞっとする思いでした。

まとめ

少し歪んだ現代を頑張って生きている人全員に読んでほしい1冊です。

※ヘッダーはソエジマケイタさんからお借りしました


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